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八条学園騒動記

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第五百五十七話 昔ながらのラーメンその十

「そこまでまずいならね」
「評判になっていて」
「お客さん入らないわよね」
「その筈なのに」
「お店続いてるのね」
「不思議でしょ」
「サービスはいいとか?」
 春香は食べものの店で味、値段に続いて重要なこの要素を指摘した。
「そうだとか」
「サービスは普通だったわ」
「普通なの」
「あと値段もね」
「そうなの」
「ただ、あまりにもまずいから」
 それでというのだ。
「正直ね」
「後の二つも釣り合わないのね」
「そうなってるわ」
「じゃあ不思議にね」
「お店が今も続いてることは」
「現在進行形で続いてるの」
「ネットで検索したらお店のサイトも出てね」
 ティンはそちらの話もした。
「閉店とはなってないわ」
「じゃあまだ続いてるのね」
「ぐぐなびとかホットサンドランチでもそうなってないから」
 そうした料理店の紹介サイトでもというのだ。
「最近そっちに行ってないけれど」
「続いていることは間違いないのね」
「どうやらね」
「それでぐぐなびとかホットサンドでの口コミは」
「私が言った通りよ」
 口コミの書き込みはというのだ。
「もうまずいまずいってね」
「皆書いてるよね」
「こんなまずいお店はないとかね」
「そう書かれてるの」
「そうなの、これが」
「ご近所で評判になるだけあって」
「確かなまずさがね」
 その店にはというのだ。
「あってね」
「サイトにも書かれているのね」
「私が言った通り出された時点で麺がのびてたとか」
「書かれてるのね」
「凄いでしょ」
「本当にある意味凄いお店ね」
「サイトでもそう書かれるから」
 まずい、その様にだ。
「それでそうしたサイトでまずいって書かれたら」
「相当まずいわよね」
「けれどね」 
 それでもというのだ。
「お店続いてるのよ」
「まずいまずいって書かれながらも」
「それでもね」
「あれかしら」
 ここまで聞いて春香は思ったことが出来た、そしてその思ったことをそのままティンに対して話した。
「あまりにもまずくてね」
「かえって評判になってるの」
「だってずっとまずいんでしょ」
「最初からそうみたいよ」
「それで五十年も残ってるってことは」
 それならというのだ。
「もうね」
「あまりにもまずくてなのね」
「かえってね」   
 それが評判になってというのだ。
「残ってるのよ」
「まずいもの食べたさっていうの」
「そう、それでね」
「それもかえって凄いわね」
「そうね、けれどお店が続くなら」
 それならというのだ。 
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