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真恋姫を駆けた男

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あーあ、出遭っちまったか。

~真紅狼side~
俺は呉を出て、華琳のところに帰る道中、賊?っぽいやつらに襲われた。
いや、曖昧だなと言われても、だって頭に黄色い布を被ってたんだぜ?
誰だって疑う。賊かどうかを。
裁断した後、情報を集めようと近くの街に向かい、集めたところ最近各地を騒がしている者たちを“黄巾党”というらしい。
ちなみに華琳の情報も聞いた。
今は陳留の勅史をやっているらしい。出世したなぁ。
なるほど、この前襲ってきたのは“黄巾党”というのか、ただのバカ集団だと思ってしまった。
陳留まであと少しのところで、ちかくで戦闘音がしていたのでそちらに行ってみると少女一人で5,60人の黄巾党を相手していた。


「やあああ!!」


と掛け声を出しながら、八人は軽く吹っ飛んでいた。
だが、さすがに多勢に無勢だったのが無謀だったのか、立てなくなっていた。
俺は急いでその子の元に向かった。
~真紅狼side out~


~???side~
また、黄色い布を被った集団が村を襲ってきた。
ボクしか村には戦える人がいないし、官軍は信用できない。
だけど、連日襲ってきてさすがに辛い。
そんなことを考えてしまったのがいけなかったのか、一気に疲労が襲ってきた。
そのタイミングを狙われたのか武器を振り降ろしていた。
あ、ボク死んじゃうのかな?


「「ガシッ!」ハイちょっと待った。」
「「へ?」」


ボクを助けたくれたのは真紅の眼で黒と白の服を着た男だった。
~???side out~


~華琳side~
義兄さんが旅に出てからもう八年が経ち、私は陳留の勅史になった。
雅も将軍として立派になり、部下からも慕われている。
最近巷で噂されている“天の御遣い”の噂とかがあるけど、そんなことより義兄さんを見たという情報はないのかしら?
そこに兵から報告が来た。


「申し上げます!この近くにある村に黄巾党が出現しました!」
「なら、春蘭に行かせて討伐しなさい。部隊の編成は任せるわ。」
「はっ!!失礼します。」
「・・・華琳様。」
「何、桂花?」
「ここ最近元気が無いように見えるのですが・・・」
「あら、そう見えた?」
「はい。何か悩みごとですか?私でよろしければ聞きますが?」
「まあ、ちょっと、探している人がいるんだけどね。なかなか見つからないのよ」
「探している人ですか・・・。どのような方なんですか?」
「私のあn「失礼します!夏侯惇将軍から早馬が来ました!」・・要件は?」
「討伐に向かったところ、討伐されておりなんでも討伐した者は七年前、朝廷を騒がした“真紅の殺人鬼”だそうです!」
「「!?」」
“真紅の殺人鬼”・・・それは義兄の異名。義兄さんがこの近くに居る。


「今すぐ、私と碧羅将軍の出撃準備をしなさい!「はっ!」・・・桂花はここに残って、黄巾党の情報を集めなさい。」
「分かりました。」
「では、行ってくるわ。」


義兄さん・・・八年も放っておいたツケは大きいわよ。
~華琳side out~


~真紅狼side~
「なんだテメェは?」
「お前ら、恥ずかしくないの?大の大人が大勢で女の子に襲うなんて、人として最低だぞ?」
「うるせぇ!お前もやってやる!死ねぇ!!」
「気の短い奴だな。」


襲いかかってきた奴の武器を弾き落とした後、足払いでこけさせ、その後、そいつの足を掴み、ジャイアントスイングで集団の方に吹き飛ばした。
さすがに人が飛んでくるとは思っておらず、ボーリングのピンのように次々と巻き込まれながら倒れていった。
・・・よっしゃ!ストライク!!
それは置いといて、倒れた隙を狙い、鋼糸を展開している右手を地面に叩きつけた。


「往くぞ。・・・オォォ!」
倒れている黄巾党の周りを地中から何本もの鋼糸が囲んでいく。いつの間にか黄巾党の連中は見えなくなっていた。


『繰弦曲・崩落』


その檻は次第に小さくなっていき、中の連中を衝剄で轢き潰した。
終わった後には肉片も骨も残っておらず、あるのは血の海だけだった。
~真紅狼side out~


~???side~
助けてくれた男の人の力は凄かった。
万人が押し掛けても、絶対に勝てないほどの力だった。
それに、最後の技なんか凄いから恐怖に変わっていた。
一瞬で人が消えた。


「・・・大丈夫か?」


いきなり声を掛けられた。
どう反応していいか分からない。


「へぁ、あ?」
「・・・大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です。・・・ボクを殺すんですか?」
「何故、助けたのに殺さなきゃならないんだ?」
「だって、あんなのを見たら、「殺される」と思って。」
「あの技を使うのは相手が外道共だけだ。・・・特に他人を平気で貶す奴ぐらいさ。」
「じゃあ、殺さないんですか?」
「殺さねぇよ。取り敢えず一難去ったし、休んでいい?」
「え、でも、さっきの奴らがまた来たら・・・」
「大丈夫だ。この村の周りを俺の武器が檻を張ってあるから、入ろうとすれば一瞬で分かる。」
「それでも一応、ボクは門のところで見張ってます。」
「気を張り過ぎて、倒れるなよ?」
「はい。あ、助けて貰ったんでボクの真名をお兄さんに預けます。姓は許、名は褚、字は仲康、真名が季衣です。」
「おう。俺は蒼騎 真紅狼だ。真名は真紅狼だ。」
「真紅狼お兄さんでいいですか?」
「あ、お兄さんは付けるのか。」
「はい。付けます。」


ドドドドドドドドド・・・・・・・・


「すまん、ここに黄巾党が現れたという情報を受けてきたのだが黄巾党はどこだ?」
「もう、追い払ったというか倒しましたが?」
~許褚side out~


~夏侯惇side~
黄巾党が出現したという報せから目的の村に着いた。
だが、周りを見回しても黄巾党はいなかった。
居るのは、一人の女の子と男。
こいつらが追い払ったとは思えない。


「誰がやった。」
「俺」
「貴様がやったのか?」
「おう。バッサリと」
「お兄さん。バッサリとは違うんじゃ・・・」
「バッサリでいいだろ?説明したって理解できねぇと思うし。」
「お兄さんがよければ、ボクはいいですけど、この人が納得するか・・・」
「貴様、私をバカにしてるのか?」
「どう捉えるかは、ご自由に。」
「よほど、死にたいようだな。貴様!!」


と私は七星餓狼に手をかけ、奴の首を目掛けて剣を振った。


ガキンッ!


「おいおい、危ないな。」
「そう言う貴様はちゃんと防いでいるじゃないか。・・・見慣れぬ剣だな。」
「俺専用の武器だ。」
「構えろ。いくぞ!「止め!!」華琳様!?」


打ち合いが始まる瞬間、我らの主である華琳様からの制止だった。
~夏侯惇side out~


~真紅狼side~
突然の制止を求める声が聞き覚えのあるというか、華琳の声だった。
ヤバイ、実にヤバイ。
だが、まだ気付かれていない。
今なら、逃げられる。
と思ったときすでに遅かった。


「どこに行くのかしら?真紅狼?」


凄いオーラがひしひしとこっちに伝わってくる。
・・・スゴイ痛い。
逃げようと後ろに逃れようとしたら、目の前に雅が往く手を防いだ。
逃げられねぇー!!


「どこにいくのかな?真ちゃん?」
「真ちゃん、言うな。雅」
「真紅狼、前を向きなさい。」
「・・・・ハイ」


バシンッ!


家族からのビンタはとてつもなく痛い。
想いとかが籠っているからだな。目には若干涙があった。


「心配したんですよ。義兄さん」
「すまなかった。」
「おかえりなさい。」
「ああ、ただいま。」
~真紅狼side out~ 
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