八条学園騒動記
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第五百四十六話 〆に入れるものその十三
「わからないと」
「あまりというか殆ど言わないがな」
「エウロパよね」
「エウロパでな」
洪童もオレンジを食べつつ言った。
「イギリスやフランスだよ」
「ドイツにスペインもよね」
「オーストリアとかスウェーデンとかな」
「ハンガリーもだし、ルーマニアも」
この国もというのだ。
「敵よ」
「そうだよ、ルーマニアってな」
洪童は顔を顰めさせて話した、オレンジの甘酸っぱさを口の中で楽しんでいるが今はそれよりもルーマニアだった。
「吸血鬼だろ」
「ドラキュラ伯爵よね」
「あの人の国でな」
それでというのだ。
「串刺し大好きな」
「ブラド四世の国よね」
「虐殺大好きなんだよ」
連合の中のルーマニアはこうした国だ。
「自分の邪魔になると思ったらな」
「容赦なくよね」
「片っ端から串刺しにしてな」
連合でのブラド四世はこうなっている。
「それで戦争でもな」
「捕虜は全員串刺しよね」
「串刺しは連合でもあるさ」
その様にして死ぬまで晒しておくのだ、連合では凶悪犯に対して行うごく普通の処刑方法の一つだ。
だがそのことは置いておいてだった、洪童は妹に話した。
「それでもあの人はな」
「捕虜ですらよね」
「トルコ軍のな」
「トルコは寛容な国なのに」
「そのトルコ軍に対してだよ」
「捕虜は全員串刺しで」
「死ぬまで晒してたんだよ」
彼等のその姿をトルコ軍に晒して恐れ驚かせ戦意を喪失させたのだ。
「酷い奴だよな」
「悪魔みたいな奴ね」
「全くだよな」
「貴族ってそんな奴多いよね」
ブラド四世が貴族達を殺していたことはスルーして言うのだった。
「本当に」
「残酷だよな」
「そうよね、そのエウロパの方がね」
「俺達の敵だよ」
「その筈なのに」
「韓国はな」
「相変わらずね」
「日本日本でな」
それでというのだ。
「他はないんだよな」
「そんな状況から離れないと」
「そう思うよな」
「さもないとずっとこのままよ」
オレンジを食べつつ兄に話した。
「本当に」
「それがわかっていないからな」
「困ったことよね」
「全くだよな」
「お兄ちゃんの言う通りね」
こう兄に返した。
「韓国はもうね」
「どれだけ難しくてな」
それが不可能なレベルでもというのだ。
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