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星河の覇皇

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第七十三部第二章 油断出来ない男その七

「だからですね」
「そうだ、私の政策はだ」
「政教分離ですね」
「だからだ」
「関わることはですね」
「しない、しかしだ」
「分裂したならば」
 政教分離に従い、というのだ。
「承認されますか」
「彼等がそうしたいというのならな」
 エウロパのカトリック信者、彼等がというのだ。
「その運動も何も止めはしない」
「一切ですね」
「裏で何をしていてもな」
 それでもというのだ。
「政教分離だからな」
「それを使われますか」
「今回はな」
「それではその様に」
「進めていこう」
「それでは」
 アランソはギルフォードの言葉に頷いた、そしてだった。
 ギルフォードは今度は首相であるカミュにだ、こう言ったのだった。
「この運動は止めないが」
「運動を止める様な、ですね」
「暴挙はだ」
 それはというのだ。
「させないことだ」
「はい、あらゆる暴力行為をですね」
「双方に許さない、しかし」
「法皇擁立を止めることはですね」
「させない」
 絶対にというのだった。
「暴力を以てしてはな」
「それでは」
「治安としてだ」
「内相と話をして」
「してもらいたい」
 首相の彼に言った。
「いいな」
「はい」
 カミュも頷いて答えた。
「それでは」
「その様にな、決してだ」
「暴力はですね」
「双方がそうだが」
「この場合は」
「分裂反対派だ」
 問題は彼等だというのだ。
「どうも近頃先鋭化している」
「確かに。統一したままであるべきと」
「言うのはいいがだ」
「そこに暴力が伴うとですね」
「看過出来ない」
「以前は分裂派が過激でしたが」
 今とは逆にというのだ。
「しかし近頃は」
「そうだな」
「はい、統一派の方が」
「どうもその辺りはだ」
「入れ替わりますね」
「私は政策として分裂に持って行きたいが」
 バチカン、この教団がというのだ。
「エウロパの国益から考えるとな」
「しかしですね」
「それは暴力が絡んではだ」
「国家としては」
「国家は抑止力を持っている」
 この力のこともだ、ギルフォードは名前に出した。
「確実にな」
「そしてその抑止力とは」
「暴力だ」
「それですね」
「そうだ、しかし暴力はだ」
「法によって無造作に使うことは止める」
「それで抑止力となる」
 国家のそうした力に法によるセーブを加えてというのだ。 
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