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星河の覇皇

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第七十三部第一章 野心家のはじまりその三十二

 艦艇及び他の兵器はだ、三割失いだったのだ。
「その分を補充し新兵器への刷新の為にな」
「あえてですね」
「雇用の確保も兼ねてだ」
「軍需産業に投資しましたね」
「軍事費もかなり増やした」
「確かに復興のカンフル剤になりましたが」
「軍隊の整備が終わればだ」
 その時はというのだ。
「民間産業に移管する」
「軍事費もですね」
「減らしていく」
「そうされますね」
「後は開発、開拓にも力を入れる」
 復興が成り軍需産業から民間産業に移管させて収益が出る様にしてというのだ。
「マウリアから譲り受けている惑星の開発、開拓の技術を使ってな」
「そうしてですね」
「エウロパ国内のそれを行いだ」
「開発、開拓を進め」
「市民を移住させていきやがてはな」
「人口も増やせる様にしますね」
「一千億のままではだ」
 エウロパの現人口のままではというのだ。
「連合に対せなくなる」
「あの国の人口は増える一方です」
「そうした状況ですから」
 フェルゼンだけでなくエットーレも話した。
「我々もです」
「人口が増えなければです」
「どうしようもありませんね」
「国力が増えません」
「国民所得と総生産だけでは駄目だ」
 国力を上げる為にはというのだ。
「やはりだ」
「人口も必要ですね」
「それは絶対ですね」
「連合を見ればわかることです」
「やはり人口は多ければ多いだけいいです」
「そうだ、そして人口は養える状況にすればだ」
 土地や資源、そうしたものを確保してというのだ。
「増やすべきだ」
「必ず、ですね」
「そうすべきですね」
「だからこその開発、開拓ですね」
「それも行いますね」
「我々の開発、開拓の技術は未熟なものだった」
 連合と比べると話にもならない程だ、エウロパの惑星開発、開拓技術の未熟さはそのまま彼等の停滞につながりサハラ侵攻にも至らせていたのだ。一千億の人口を養う土地と資源を確保する為にだ。
「しかしだ」
「マウリアのそういった技術を導入すれば」
「今より遥かに多くの人口を養える様になりますね」
「そこから技術を発展させられますし」
「余計にいいですね」
「その通りだ、そして開発及び開拓と共にだ」
 この政策と並行してというのだ。
「暗黒宙域もだ」
「あの宙域もですね」
「実際に」
「こちらにかかる予算は相当に大きいが」
 何十万光年もの距離を踏破するからだ、それを考えるとかなりのものだ。
「その先に多くのものがある」
「多くの星系が」
「そしてそこに眠る土地と資源ですね」
「我等の新天地がありますね」
「新たな場所が」
「新大航海時代だ」 
 ギルフォードはここでこの言葉を出した。
「新たなものを手に入れる時代だ」
「かつての我々の偉大な祖先の様にですね」
「無限の富を手に入れるのですね」
「何十万光年もの距離を踏破して」
「そうして」
「これは私が最初から言っている」
 総統選でも公約として掲げていた、その時に膨大な予算もかかると言ったがそこから得られるメリットも言って支持を得たのだ。 
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