| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十三部第一章 野心家のはじまりその二十三

「美味しいものよ」
「カレーラーメンも」
「そうよ、だからね」
「一度ですね」
「食べればわかるわ」
 こうだ、小柳は今は塩ラーメンに野菜やチャーシュー、卵を入れたものを食べつつスタッフに話した。そうしてだった。
 食べ終わるとまた仕事をした、この日も夜まで仕事だった。
 それはどの国も同じでありギルフォードもだった。
 深夜まで仕事をしてだ、この日最後の書類にサインをしてからそれを総統府に詰めている官僚に対して言った。
「今日もだな」
「はい、十二時を回りました」
「そうだな」
「お疲れですか」
「疲れていないと言えば嘘になる」
 そうなるというのだ。
「どうもな」
「そうですか」
「そうだ、しかしだ」
「それでもですか」
「これで疲れていてはだ」
「お話にもならないと」
「そうだ」 
 そうなるというのだ。
「私はエウロパの総統だからな」
「総統は疲れを知らない」
「カエサルは疲れたとは一言も言わなかった」
 その人生においてというのだ。
「そしてナポレオンもヒトラーもだ」
「疲れたとはですね」
「言わなかった」
 その彼等もいうのだ。
「国父ブラウベルグは言うまでもなくだ」
「だから総統もですか」
「国家元首は疲れを知らない」
 こう言い切った。
「全くな」
「それでは」
「今日はこれで寝室に入り休むが」
「明日はですね」
「いつも通りだ」
「五時に起きられてですか」
「まずは乗馬だ」
 スポーツ、それをするというのだ。
「それを行いだ」
「それからですね」
「入浴だ」
「そしてお食事の後で」
「仕事だ」
 それを行うというのだ。
「そうしよう」
「いつも通りですね」
「このスケジュールを崩すとだ」
「それだけで健康不安となりますね」
「だから崩さない」
 決してというのだ。
「私はな」
「常に毅然としてですね」
「仕事を行いだ」
「政策もですね」
「進めていく、明日もな。それでだが」 
 ここでだ、ギルフォードはその目の光を強くさせた。その目には疲れの色は全く存在していなかった。彼が言う通りに。
「マウリアのことだが」
「諜報網ですか」
「それは出来ているか」
「かなり、ですが連合が気付いた様です」
「そうか」
「どうされますか」
「隠す」 
 これがギルフォードの返答だった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧