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星河の覇皇

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第七十三部第一章 野心家のはじまりその二十二

「実際にね」
「そうですね」
「ええ、そちらの方が美味しいから」
 だからだというのだ。
「そう感じているからね」
「インスタントラーメンもですね」
「好きよ」
 それで今も食べているというのだ。
「独特の味があるわね」
「癖になりますね」
「この様にね、ただね」
「はい、いつもはですね」
「食べていないわ」
 幾ら好きでもというのだ。
「他のラーメンも食べているし」
「ラーメンの種類自体も」
「今は塩ラーメンだけれど」
「味噌ラーメンもお好きですね」
「カレーラーメンもね」
 小柳はくすりと笑ってこちらのラーメンにも言及した。
「インスタントのね」
「あのラーメンですか」
「これがまた美味しいのよ」
「そういえば根強い人気がありますね」
「そうね、あのラーメンも」
「それで私も好きなのよ」
 インスタントのカレーラーメン、それもというのだ。
「あの美味しさを知らないのは悲しみでもあるわ」
「そこまでなのですか」
「貴女は食べたことがないのね」
「はい、そちらのラーメンは」
 スタッフは小柳に正直に答えた。
「どうにも」
「では機会があればね、いえ今度スーパーに行って」
「カレーラーメンをですね」
「買って食べるといいわ」
 微笑んでだ、小柳はスタッフに話した。
「是非ね」
「それでは」
「後悔しあにから」
「カップヌードルのカレーとはですね」
「また違ってね」
「違う美味しさがあるのね」
「そうなの」
 インスタントのカレーラーメン、それはというのだ。
「香りもいいわよ」
「そちらもですか」
「そう、ただマウリアの人達からすれば」
 カレーの本場であるこの国からしてみればだ。
「カレー、いえカリーではないというから」
「カリーを元にした別の料理ですね」
「そう言っているからね」
「それはカレーうどんやカレーパンでもそうですね」
「そしてカレーライスそのものにもね」
「左様ですね」
「私はカレーライスも好きだけれど」 
 ライスカレーと呼ぶ場合もある、この二つの呼び名はこの時代で残っているのだ。地域や組織によって呼び方が違うのだ。
「それがね」
「どうもですね」
「マウリアではね」
「カリーではないと」
「特にビーフカレーはね」
「あちらでは牛肉を食べませんし」
 スタッフはこのことを指摘した。
「だからですね」
「違うと言われるわ」
「そしてカレーラーメンも」
「マウリアにはそもそもラーメン自体がないから」
 連合では広く食べられているがだ。
「だからね」
「それもないですか」
「そうよ、マウリアの人達に食べてもらっても」
 それでもというのだ。
「口に合わないと言われるかもね」
「そうですか」
「どうにもね、けれど私達にとってはね」
 小柳達にはというのだ。 
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