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八条学園騒動記

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第五百四十一話 研究室に戻ってその九

「何でもな」
「そうなんだね」
「ちゃんと試験を受けて修得してじゃ」
 そしてというのだ。
「更新もしておる」
「それはいいけれど」
「どうやって取って更新してんだ?」
 タロもライゾウもこのことは不思議だった。
「一体」
「そこが謎だね」
「そこはちゃんと日本政府に言っておる、そうしたらいつも日本政府はブチブチと文句を言ってくるが」
 それでもというのだ。
「ちゃんとじゃ」
「免許出してくれてか」
「更新もしてくれるんだ」
「そうじゃ、そして医師免許もじゃ」
 これもというのだ。
「あるのじゃ」
「それでか」
「今もしっかりとお話出来るんだね」
「左様」
 その通りという返事だった。
「徹夜についてもな」
「医学の知識から」
「そうなんだね」
「左様、少しでも寝ることじゃ」
 幾ら忙しくとも、というのだ。
「一日でも徹夜は避けることじゃ」
「本当に少しでもなんだな」
「わしは最低でも五時間と思うが」
 実際に博士はそれだけ寝ている。
「しかしじゃ」
「それ以下でもか」
「寝るべきなんだね」
「左様、手塚治虫さんはじゃ」
 この漫画界の巨人はというと。
「一日の睡眠時間は四時間、徹夜も珍しくなかった」
「さっき話した三日の徹夜もか」
「あったのかな」
「これは違う人じゃが」
 三日の徹夜は石ノ森章太郎である、仮面ライダーやホテル、サイボーグ009がこの時代でも有名な偉大な漫画家である。
「しかしな」
「その人並にか」
「漫画描いてたんだね」
「そのことは事実でじゃ」
「あの人も六十少しで亡くなってるな」
「本当に早世だね」
 二匹はまた今の基準から話した。
「六十過ぎでって」
「残念だよな」
「当時も若死にと言えた」
 二十世紀終わりの基準でもとだ、博士は二匹に話した。
「死因は癌じゃが」
「それでもだよな」
「癌になったことも働き過ぎのせいだろうね」
「そんな不眠不休で働いてたら」
「そりゃ死ぬさ」
「左様、わしは過労死と思っておる」
 手塚治虫のそれはというのだ。
「そこまで寝ずに働くとな」
「死ぬか」
「そうなるんだな」
「そうじゃ、不老不死のわしでも疲れるのに」
 それでもというのだ。
「死ぬ者がしてはいかん」
「じゃあおいらは一日中寝てもいいか」
 ここでライゾウはこんなことを言った。
「一日二十四時間な」
「そこまで寝るのじゃな」
「ああ、そうしてもいいんだな」
「してもいいがそこまで寝られるのか」
 博士はライゾウに現実から話した。 
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