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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その二十八

「私は戦争を選びます」
「マウリアにとって必要ならばだな」
「その時は躊躇しません」
「一切か」
「はい、全く」
 迷うことなく、というのだ。
「そうしていきます」
「そこは私とは違うな」
「戦争についてですか」
「私は戦争は好きではない」
 クリシュナータの偽らざる考えだ、実は彼は戦争を肯定的に考える思想の持ち主ではないのである。
「避けられるならだ」
「避けられますか」
「それが一番有効な状況だとわかっていてもだ」
「戦争は、ですか」
「避けられる限りは避ける」
「そうされますか」
「そうだ、しかし君は違うのだな」
 ジャバルのその目を見て問うた。
「必要ならだな」
「戦争を選びます」
「そうか」
「はい、その時は」
「成程な」
「それは間違っているでしょうか」
「戦争は政治の一手段だ」
 この時代でも言われている言葉をだ、クリシュナータは述べた。
「だからだ」
「それもですか」
「いい」
 こう言ったのだった。
「それならな」
「左様ですか」
「君の好きにしろ」
「その時は」
「そうだ、だが」
「マウリアにはですね」
「害が及ばない様にすることだ」
 戦争という選択肢を選んでもというのだ。
「その時はな」
「わかりました」
「それならいい、戦争をしてもだ」
「国益は求めます」
 それが必要な時はというのだ。
「必要な時はどの様な手段を使っても」
「マキャベリズムか」
「それに徹します」
 否定せず強い言葉で答えた。
「その様に」
「そうか、では副主席としてだ」
「私の資質をお見せしましょう」
「ではな、頼むぞ」
「それでは」
 ここまで話してだ、そしてだった。
 クリシュナータはここで自身のカレーを食べ終えた、そしてジャバルもだ。彼の野菜のカリーを食べた。
 その後で二人共紅茶を飲むがだ、その紅茶もだった。
 クリシュナータはジャバルの紅茶を見てだ、また言った。
「その紅茶もか」
「私が好きな紅茶です」
「やはりそうだな」
「はい、この紅茶が一番です」
「美味いか」
「私にとっては」
 そうだというのだ。
「そうなのです」
「そうか」
「安い茶です」
 ジャバルは自分で言った。
 
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