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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その十七

「しかしだな」
「はい、これまでは彼等の人物だったのが」
「表に出るからか」
「そうなりましたし」
「そしてだな」
「表での格好の場所に着いてです」
 ザガールは明らかに危惧する顔であった、その顔でクリシュナータにさらに話すのだった。
「ガルーダの様に飛び」
「そしてか」
「主席になり」
「さらにか」
「ガルーダと言いましたが」
 ヒンズー教三大神の一柱調和神ヴィシュヌの友にして乗りものである人と鷲を合わせた様な身体を持つ神だ、とてつもなく巨大な身体は黄金に輝いている。
「若しかするとです」
「彼はか」
「ガルーダの生まれ変わりかも知れません」
「神が人に生まれてか」
「そうして出ているのかもとです」
「思うか」
「はい」 
 神話が信仰として生きているマウリアならではの考えであり言葉だった、尚この国では釈迦もヴィシュヌの生まれ変わりの一つとされている。
「ふと思いました」
「ガルーダか」
「そうではないかと」
「若しそうだとするとな」
「巨大な資質もですか」
「あの気質もそうか」
 ガルーダ、この神の気質だというのだ。
「言われてみればな」
「ガルーダならです」
「国家主席にはか」
「巨大過ぎるかと」
「世界に比肩するまでの巨大さだからな」
 ヒンズー教の大きさの基準は他の宗教とは違う、とかく巨大なのだ。神は三歩で世界を歩ききる話もある程だ。
「このマウリアも」
「はい、収まりきれぬかもとです」
「思いか」
「私としましては」
「君の意見はカーストのこと以上にだな」
 この問題を意識しているのは確かにしてもというのだ。
「彼の資質と野心の巨大さをだな」
「はい、危惧している次第です」 
 実際にという返事だった。
「ですから他の方にすべきでは」
「君としてはか」
「そう思います」
「巨大過ぎる資質の英雄か」
「こうした人物はです」
「国を発展させ変えてもか」
「止まりません」
 それで終わりではないというのだ。
「そこからさらに積極的に動き」
「国家を動かしていくな」
「アレクサンドロス大王ですが」
 マウリアまで攻めてきた、流石にインダス河流域から奥深くにまで攻め込むことまではしなかったがそれでもマケドニアからこの国まで来た。
「ギリシア世界を統一し変えましたが」
「そこからだったな」
「大帝国だったペルシャを滅ぼしました」
「そして一帯を完全に掌握した」
「そこまでしました」
「そして彼もか」
「マウリアに収まらず」
 そうしてというのだ。
 
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