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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その九

「そしてそれがだ」
「結果としてですね」
「閣下の政策の支持にもなっているのですね」
「彼等の見地から」
「そうなる、しかしカーストがなくなるか」
 それはというと。
「私が思うにはだ」
「ないですね」
「それは」
「マウリアにおいては」
「それは」
「カースト制度を法律で否定はしている」
 マウリアにはだ。
「しかしヒンズー教では残っている」
「ヒンズー教の教えでありますし」
「この階級は」
「どうしても」
「何よりも職業分化と生活の保証になっている」 
 その職業に就くことを決められていてだ、階層ではあるがそれと共に職業を決めていることもあってというのだ。
「だからな」
「はい、カーストはなくなりません」
「社会秩序にもなっています」
「時代に合わせて仕事の内容は変わろうとも」
「それでも」
「そこは変わらない」
 絶対にというのだ。
「どうしてもな、だからだ」
「はい、どうしてもですね」
「そこは、ですね」
「変わらずで」
「消えませんね」
「ヒンズー教がなくならない限りだ」
 マウリアという国においてだ。
「それはない」
「別の宗教の国にならなければ」
「そうでもならなければですね」
「カースト制度はなくなりませんね」
「マウリアにおいて」
「連合はこのことを理解していない」
 ひいては連合市民がである。
「彼等は自分達の価値観でだけだ」
「ものを考えてですね」
「そうしてですね」
「我々を見て発言している」
「そういうことですから」
「連合とマウリアは違う」
 こうもだ、クリシュナータは言った。
「社会構造がな」
「宗教も文明も」
「そうしたものがですね」
「我がマウリアは連合とは違い」
「別の国家ですね」
「我々は理解している」
 クリシュナータは言い切った、連合をというのだ。
「あの国がどういった国かな」
「階級がなく、ですね」
「様々な宗教や文化、文明、民族、人種が存在する国家で」
「モザイクです」
「非常に雑多です」
「そうした国ですね」
「そうだ、豊かで人口も多い」
 このことについても言うのだった、マウリアから見た連合は異国であり彼等とは違う価値観の国家であるのだ。
「国家の中の国家もだ」
「そちらもですね」
「多くそして権限も強く」
「それぞれの国家が自己主張をしてです」
「中央政府とも対立することが多いですね」
「そうしたことを見ているとだ」
 どうにもというのだ。
「あの国は非常に雑多だ、しかし彼等はだ」
「我々を理解していませんね」
「階級があるということだけで否定する者もいます」
 連合の中にはというのだ。 
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