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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その十

「我々の全てを理解せずに」
「勝手に言ってきますね」
「それが不快だ、しかしこの政策が連合での方が支持されていることは」
 このことはというと。
「やはり複雑な気持ちになるな」
「どうしてもですね」
「何故そちらなのかと」
「その様に」
「何故そうなるかはわかっていてもだ」
 それでもというのだ。
「複雑だな、無理でもマウリア国内で支持されたい」
「それでこそ意味があるからこそ」
「だからですね」
「マウリア国内で支持されたい」
「そうなのですね」
「そうだ、だが国内での支持は確かにまだ低いが」
 クリシュナータが満足出来るレベルではないというのだ。
「低いのならだ」
「上げていく」
「そうするだけですね」
「国民に理解してもらう」
「そうされるだけですね」
「この政策の真意と真価がわかればだ」 
 冷徹なものさえある強い目の光でだ、クリシュナータは述べた。
「広く支持される政策だ」
「マウリアの為になる」
「そうした政策だからですね」
「支持を広く得られる」
「そうした政策ですか」
「現状で支持が低いのは読んでいた」
 既にというのだ。
「最初からな」
「それは織り込み済みで」
「これから上げるものですね」
「国民に理解してもらい」
「そのうえで」
「除外より受け入れればだ」
 そちらの選択を選べばだというのだ。
「マウリアはより発展する、そして政府は一つであるべきだ」
「中央政府はですね」
「表も裏もなく」
「各地方政府でもその筈だ」
 マウリアでは知事のいる州政府とマハラジャのいる藩王国がある、マウリアは共和制だがその中に大勢の君主も存在している国なのだ。
「州や藩王領に政府が二つ必要か」
「答えは明白ですね」
「政府は一つであるべきです」
「さもなけば二重権力になり」
「国政も混乱します」
「そうなりますね」
「だから禁物だ」
 それはというのだ。
「星系によっては違うが」
「それでもですね」
「天下に二日は不要」
「一日で充分」
「そういうことですね」
「アウトカースト政府がこのまま存在していてはだ」
 これまでの様にというのだ。
「やがて滅多なことでは対応出来ないものになっていた」
「巨大化してですね」
「力が強くなり過ぎ」
「そうして」
「そうなれば最悪だ」
 政治家は最悪のケースも想定すべき、この考えからの言葉だ。
「内戦になりかねない」
「若し内戦になれば」
「何も得るものはありません」
「内戦程無意味なものはありません」
「その国を潰すだけです」
「内戦で崩壊した国は多い」
 人類の歴史においてだ、サハラでは千年の間あらゆる国で内戦が起こりそうして混乱に拍車をかけてきた。 
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