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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その七

「それは私の流儀でもない」
「それでは」
「その様にされますか」
「ここは」
「そうするとしよう、そして面白いことにだ」
 クリシュナータはこうも言った。
「私のこの政策はマウリア国内よりも連合で支持が高い」
「あの国からですか」
「あの巨大国家から」
「連合は階級がない」
 このことは連合の最大の特徴の一つだ、収入や地位のことはあるが確かに社会構造として階級は存在しない。
「大衆社会だ」
「だからですね」
「あの国から見るとですね」
「見事な政策ですね」
「それも非常に」
「そうだ、階級自体がだ」
 まさになのだ、連合では。
「連合では悪だ」
「そうみなされていますね」
「実際にそうですね」
「連合では階級は否定されています」
「特にエウロパ貴族主義を批判しています」
「そして我がマウリアについても」
 彼等の国についてもだ。
「よくカースト制を批判していますね」
「流石に表立ってではないですが」
「ネットや書籍ではよくです」
「批判されています」
「間違っている、廃止すべきとです」
「常に言われています」
「その見地からだ」
 カースト制自体に対する否定の見解からなのだ、連合市民達はだ。
「私のこの政策は人気があるのだ」
「階級制度の否定ですか」
「そうしたものとみなされてですか」
「歓迎されているのですか」
「あの国では」
「そうだ、あの国も差別があるが」
 残念ながら人類はこの時代でも差別の問題を克服出来ていない、自分と他人を区分する人間の生物としての性質がそうさせるものであるから克服は難しいということか。
「しかし階級はない」
「そのことが大きいですね」
「あの国は連合市民達を差別する傾向がありますが」
「サハラからの難民もそうですし」
「我がマウリアからの移民も冷遇されています」
「人間とみなされてはいますが」
「冷遇されているのは事実です」
「人種主義はない」
 連合、この国にはだ。
「かなり混血が進んだこともあってな」
「はい、宗教や民族、文化や文明についても」
「あまりに多様でモザイク化していますし」
「その結果ですね」
「連合はそうした差別はないですね」
「希薄なものです」
「そうしたものはないですが」
 しかしなのだ。
「やはり移民や難民達にはです」」
「冷たいものがあります」
「そしてエウロパの者達は混血しようとしない愚か者達だと否定しています」
「混血主義というものですね」
「あれは連合独特の考えだ」 
 混血主義、それはというのだ。
「人類は混血してこそ真価が出されていくとな」
「モンゴロイド、コーカロイド、ニグロイドがですね」
「全ての人種が混血してこそですね」
「人類は真価を発揮していく」
「その考えですね」
「そうだ、よく言われていたことだが」
 クリシュナータはこうしたことも話した。 
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