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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その五

「この様にな」
「そしてアウトカースト層の政府を統合し」
「人口も把握してですね」
「彼等の総生産もですね」
「把握して国家の中に入れて」
「自国のものにしていますね」
「そうだ、これはいいことだ」
 まさにというのだ。
「マウリアにとってな、しかしだ」
「保守派にとってはですね」
「それが理解出来ない」
「アウトカースト層を社会の中に入れる」
「それが理解出来ず我慢出来ない」
「そういうことですね」
「そうだ、しかしだ」
 クリシュナータはここまで話してあらためて述べた。
「それはマウリアの為にならないと思っていたからだ」
「二つの政府を統合させて」
「これからもですね」
「それは進めていく」
「そういうことだ、そして私はだ」
 ここでだ、クリシュナータはその目を鋭くさせて閣僚達即ち彼が股肱の者達と頼む彼等に対して述べた。
「ただ攻撃を避けることはしない」
「逆にですね」
「反撃を加える」
「そして攻撃も行われますか」
「ご自身から」
「相手を攻撃するのなら自分も攻撃されることを覚悟することだ」
 冷徹な声でだ、クリシュナータは述べた。
「攻撃はリスクなしでは出来ない」
「そういうものですね」
「それが攻撃の対象から来ずとも」
「攻撃をする時は攻められる」
「常にその危険がありますね」
「相手からとは限らないですね」
「背中には注意することだ」
 クリシュナータは一言静かに言った。
「ついでに言うと足元にな」
「攻撃する際は」
「その時はですね」
「では保守派の面々で攻撃する者は」
「閣下もですか」
「既に保守派の面々の顔触れは全て把握してある」
 野党である彼等のそれはというのだ。
「そしてだ」
「必要とあればですね」
「その時はですね」
「反撃を加えるか」
「若しくはご自身からですか」
「攻撃を仕掛ける、しかもだ」
 クリシュナータは紅茶を飲んだ、マウリアの紅茶である。そしてその濃さはかなりのものだ。そこにさらにミルクと砂糖も大量に入れている。
「それは私だけとは限らない」
「まさか」
「その人物は」
「有力な協力者を得た」
 この言葉をにこりともせずに述べた。
「彼も動いてくれる」
「そうですか」
「では、ですね」
「閣下はその人物の協力も得て」
「そうして」
「ついでに保守派の勢力もだ」
 彼等のそれもというのだ。
「削れる」
「必然的にですね」
「攻撃をする者達を排除出来る」
「だからこそですね」
「それはそれで好都合ですね」
「野党の勢力は近頃大きくなってきていた」
 議会、そして地方でもだ。 
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