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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その四

「倫理観もそこまではだ」
「触れませんね」
「そちらにも」
「しかも暗殺よりも容易ですし」
「やるならですね」
「こちらの方が多いですね」
「ロシアでは暗殺が常だった」 
 タレーランも言った、ロシアで暗殺とは政治家の交代の有効的な手段の一つだと。
「しかし今は違うな」
「やはりスキャンダルですね」
「それを暴くことが常になっていますね」
「あの国についても」
「暗殺が伝統だった国ですが」
「それだけスキャンダル暴きは楽ということだ」
 倫理観にも触れないし行うにしてもというのだ。
「政敵を政治的に抹殺出来るのだからな」
「暗殺と同じく」
「それが出来るからですね」
「マウリアでも行っている」
「だからこそ」
「私も気をつけている」
 クリシュナータにしてもというのだ、このことについて。
「常にだ、あとは失言だ」
「はい、それはですね」
「何時でも気をrつけねばなりませんね」
「我々にしましても」
「諸君も同じで私もだ」
 こう言うのだった。
「今は死ぬ訳にはいかない」
「だからこそですね」
「注意されていますか」
「ご身辺のことを」
「物理的な暗殺の件以外にも」
「そうされていますか」
「そうしている、保守派は何としても私を除きたい」
 このことがわかっているからだというのだ。
「今の秩序を守る為にな」
「今の、ですね」
「秩序をですね」
「守る為には」
「閣下を」
「どうにかして除いてだ」
 そうしてというのだ。
「彼等の思う秩序を守りたいのだ」
「今の様にカーストを守った」
「アウトカースト層は排除した」
「そうした社会を維持したい」
「そうなのですね」
「マウリアの社会は旧に復してだ」
 カーストを守った、アウトカースト層を除外したというのだ。
「そうした社会を守りたいのだ」
「そうしたらです」
「マウリアの国家としてのあり方は歪なままで」
「しかももう一つの政府がさらに大きくなり」
「その政府が不穏な存在になりかねません」
 マウリアという国にとってだ。
「国家の中央政府は一つでなければ」
「どうしてもですね」
「国家として歪になる」
「国家の中心が二つある形であれば」
「それがおかしなことになってしまいます」
「どうしても」
「数百年放置してしまっていた」
 アウトカースト層、彼等をというのだ。そしてその結果だというのだ。
「以前の様な状況になった」
「国家の中に中央政府が二つある」
「そうした状況ですね」
「表の政府と裏の政府」
「こうしたことは間違ってもよくありません」
「だから私は動いたのだ」
 二つの政府、カースト層とアウトカースト層の二つの政府の統合を実現したというのだ。これはクリシュナータがいずれはと考えていたことだ。 
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