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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その三

「しかしだ」
「それでもですね」
「閣下としては推し進められる」
「そうされますか」
「その覚悟はしてある、マウリアの為にな」
 まさにというのだった。
「そして備えもしてある」
「暗殺ですか」
「それも有り得る」
「そうなのですか」
「刺客は銃や毒だけとは限らない」
 暗殺、それだけではないというのだ。
「それはわかるな」
「スキャンダルですね」
「連合では暴き合いが常です」
「時には捏造も行われます」
「そうしたことが常です」
「そうだ、マウリアは連合程ではないがだ」
 しかしというのだ。
「やはりだ」
「このマウリアでもそうしたことはあります」
「それが現実です」
「では、ですね」
「スキャンダルについてもですか」
「注意されていますか」
「政治家を志した時からだ」
 主席になってからではないというのだ。
「それには気をつけてきた」
「ご身辺のことには」
「スキャンダルに関してはですか」
「注意されてきた」
「そうなのですね」
「スキャンダル一つで政治生命が終わった」
 連合では大統領候補がそれで大統領になれなかった、最もわかりやすい例えをすればこうなるだろうか。
「そうした話はマウリアでもあったしだ」
「今もある」
「だからですね」
「閣下もですね」
「注意されていたのですね」
「既にな、そしてだ」
 さらに言うのだった。
「実際に身を慎み選挙の時もスタッフ達にだ」
「疑われる様な行動はですね」
「しない様にされていた」
「そうなのですね」
「資金集めについてもだ」
 政治資金のそれだ、政治家にとっては欠かせない話であるがそれだけにここが弱みになる話も多い。
「注意して私自身でもだ」
「チェックをされていましたか」
「常に」
「些細な報告漏れでもだ」
 それでもというのだ。
「そこからスキャンダルにもなるな」
「ある話ですね」
「連合では確かに顕著ですし」
「マウリアでもです」
「ありますね」
「暗殺をせずともだ」
 物理的な殺人、それをせずともというのだ。
「政治的に抹殺する方法がある、しかもだ」
「しかも?」
「しかもといいますと」
「殺人はどうしても倫理観に抵抗がある」
 ごく稀にそうした倫理観を持たない者もいる。
「だからそれをすることは出来る限りはだ」
「避けたい」
「人としてはですね」
「そこまではしたくない」
「そう思うのが常ですね」
「しかしスキャンダルならだ」
 それを突き止めて公にすることはというのだ。 
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