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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その二

「非常にな」
「確かに。そう言われますと」
 ハーリーも頷いて答えた。
「彼等の力は大きく」
「議会で発言してだ」
「その発言がですね」
「官僚の人事にも影響してだ」
「彼等の官界での地位も」
「上がっていく、能力次第にしてもな」
「左様ですか」
 ハーリーはクリシュナータのその言葉に頷いて応えた。
「マウリアは大きく変わりますね」
「社会自体がな」
「はい、私としましては」
 ハーリーはマウリア政府の中でも極めてリベラルな思考の持ち主として知られている、連合の大衆社会を強く意識している。ヒンズー教徒であるがそうした人物だ。
「いいことですが」
「君にとってはだな」
「はい、しかし」
「今ここにはいないがな」
 改革派の閣僚達にはというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「反対意見は多い」
 マウリアの中にというのだ。
「それが現実だ」
「そうですね」
「政治のな」
「そしてそれがですね」
「よくはないのだ」
 クリシュナータはこう言った。
「マウリアの為にはな」
「アウトカースト層もですね」
「マウリア市民でだ」
「彼等の力を活用すべきですね」
「二十世紀のアメリカを見るのだ」
 この時代では連合の主要国の一国となっているこの国をというのだ。
「公民権運動でアフリカ系、ひいてはヒスパニックやアジア系の力も加わりだ」
「より強い国になった」
「特定の人種、階級だけの力ではだ」
 彼等の力だけではというのだ。
「とてもだ」
「国家としてですね」
「限界だ」
 それになるというのだ。
「どうしてもそれが来る」
「だからだ」
「国家としては」
「全ての人種、階層の力を使うべきだ」
「連合の様に」
「ひいてはだ」
 まさにというのだ。
「能力が高ければだ」
「その能力に見合った地位にですね」
「就くべきなのだ」
 こうハーリーに話した。
「それこそ誰であってもな」
「そうお考えですか」
「アウトカースト云々よりもだ」
「個人の資質ですか」
「それが大事なのだ」
 そうだというのだ。
「我がマウリアもな」
「千億のアウトカースト層ですね」
「彼等の力を全てマウリア社会に取り入れますか」
「そしてそのうえで、ですね」
「国家として強くもなりますか」
「そうだ、それは今からはじまる」
 人口統計で人口が増えて国力が高まってもというのだ。
「マウリアが真の意味で強くなることがな」
「ですか、ではですね」
「アウトカースト層政府との統合もですね」
「それを目指されますか」
「そちらも」
「そうする、この政策には反対も多い」
 マウリア内部においてだ、ヒンズー教徒の保守派からそうした者達が多い。特にカーストの上位にある者達からだ。 
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