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星河の覇皇

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第七十二部第五章 二つの政府の統合その一

                 二つの政府の統合
 マウリアのアウトカースト政府がどうなるかをだ、クリシュナータは閣僚達に述べた。
「政府が二つあるのはよくない」
「はい、確かに」
「カーストが違うといいましても」
「中央政府にあたる政府が二つありますと」
「よくありませんね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「ここはだ」
「はい、ここはですね」
「アウトカースト層の政府の統合ですね」
「それを行いますか」
「そうする」
 まさにという返事だった。
「彼等全体をマウリア社会に組み入れるのだ」
「政府についても」
「彼等もですね」
「統合してですね」
「組み入れていきますか」
「そうする、そしてだ」
 クリシュナータは閣僚達にさらに話した。
「アウトカースト層政府の高官達の地位はだ」
「それはどうされますか」
「一体」
「辞任とはなりませんね」
「それは」
「それはならない」
 断言でだ、クリシュナータは答えた。
「決してだ」
「それはですね」
「行いませんか」
「そうしたとは」
「そうだ、しない」
 断じてという言葉だった。
「統合してもすぐに完全に一つにはならない」
「だからですね」
「統合は徐々に進んでいくので」
「アウトカースト層政府の閣僚達は辞任せず」
「このまま職務にあたってもらいますか」
「そうなってもらいだ」
 そしてというのだ。
「完全な統合へ働いてもらう」
「それでなのですが」
 タクシャス=ハーリー、白い口髭を生やした痩せた顔の男が言ってきた。
「今後はアウトカースト層出身者でも」
「能力があればな」
「高官、そして閣僚にもですね」
「なっていく」
「やはりそうですか」
「彼等も選挙に出る」
 選挙権、被選挙権も与えられるから当然のことだ。
「マウリア国民社会に入るのだ」
「それ故に」
「彼等もだ」
 まさにというのだ。
「能力があればだ」
「高官、閣僚にですね」
「なっていく」
「そうなりますか」
「そしてだ」
 クリシュナータはハーリーにさらに話した。
「彼等も選挙に立候補するのだ」
「それならばですね」
「彼等から多くの議員が出る」
 国会議員、彼等がというのだ。
「今や全人口の三分の一だ」
「では単純計算で」
「マウリア議会も拡大されるが」
 議会は人口に比較して大きくなる、それでなのだ。
「その議会もだ」
「三分の一がですね」
「おおむねだがな」
「増えた分だけが」
「アウトカースト層出身者の議席となる」
「三分の一ですか」
「これは大きい」
 議会においてというのだ。 
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