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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その三十七

「実際に連合ではそうだしな」
「中央政府国防長官ですね」
「だからこそ彼等の軍規軍律を徹底させた」
「我々が見ても非の打ち所がないまでに」
「ならばだ」
「我々もですね」
「彼等の嘲笑われたくないな」
 モンサルヴァートは目を鋭くさせてだ、グリモワールに問うた。
「エウロパの者ならば」
「はい、最大の屈辱です」
「警察には対抗意識はないにしてもだ」
「彼等については」
「彼等以下の軍規軍律なぞもっての他だ」
「むしろ彼等以上にですね」
「厳しい軍規軍律を持つことだ」
「その様にしますか」
 グリモワールも言った。
「是非」
「卿にはそうしてもらう」
「それではまさに」
「厳しくだ」
「その様にな」
「かつてのプロイセン軍もかくやと言う様な」
「そこまでだ」
 グリモワールにも言う。
「ナチス=ドイツの時のドイツ軍よりもだ」
「厳しい軍規軍律をですね」
「維持してだ」
「訓練もですか」
「訓練に制限はない」
「はい、確かに」
「いざとなれば休暇を返上してでもだ」
 そうしてというのだ。
「訓練を重ねてだ」
「精強な軍とされますか」
「兵器も新型兵器の開発が決定している」
 こちらもというのだ。
「マウリアから供与された我々にとっては最新型の軍事技術を応用してだ」
「そうしてですね」
「我々が今まで持ったことのない兵器をだ」
「開発されていますか」
「これまで以上にだ」
 遥かにというのだ。
「そうした軍隊にしていく」
「規律正しい精兵と新型兵器による」
「我々は認識しなければならないことがあるな」
「はい、連合軍とは数も技術も違います」
「物資もだ、彼等の数と技術、物量は絶対だ」
 まさにというのだ。
「他国の追随を許さない」
「そこまでのものがありますね」
「我々を圧倒している」
「他国を」
「そうした国と対しているのだ」
「国力にして百倍ですし」
「軍の数では十三倍だ」
 エウロパ軍十億に対して連合軍は火約三十億だ、十三倍の兵力の開きはそれだけで恐ろしいまでの戦力差だ。
「これをカバーする為にだ」
「精兵と新型兵器ですね」
「双方を備える、だが」
「それでもですね」
「それでも劣勢は否めない」 
 連合軍に対してというのだ。
「どうしても埋められないものだ」
「数と技術、物量の差は」
「第二次世界大戦を見るのだ」 
 二十世紀中頃の戦争だ、世界の主要国が連合と枢軸二つの陣営に分かれて戦ったそれからの何十年もの世界の状況を決めた戦争だ。
「ドイツ軍も日本軍も精鋭だった」
「どちらも」
「彼等は恐ろしいまでに強かった」
「しかしですね」
「連合国に敗れた」
「その圧倒的な力量の前に」
「ドイツ軍も日本軍も戦略ミスはあった」
 特にドイツ軍が有名だ、ヒトラーの政治を優先させた戦略がドイツ国防軍の崩壊に大いに貢献したと言われている。 
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