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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その三十六

「見て刺激されたのは確かだ」
「軍もですね」
「より規律正しくあるべきだとな」
「思われたのですね」
「エウロパ軍の軍律は厳しい」
 このことは最初からというのだ。
「しかしだ」
「その厳しさをですね」
「より厳しくしてだ」
「今以上にですね」
「精強な軍隊の一歩としたいのだ」
「では」
「その為に頼む」
 憲兵総監になってもらいというのだ。
「軍の警察としての機能を頼む」
「憲兵隊はです」 
 ここでだ、グリモワールはこうしたことを言った。
「まず自分達がです」
「規律が厳正であるべきだな」
「はい、精鋭でなければなりません」
 軍の中でもというのだ。
「軍隊の中でも」
「普通の軍内の職種でなくだな」
「憲兵学校がありますが」
「そこでの教育もさらにです」
「厳しくしてか」
「確かな憲兵にしたいのですが」
 憲兵総監に就任したならというのだ。
「宜しいでしょうか」
「そこは卿に任せる」
 これがモンサルヴァートの返事だった、軍務大臣の席から答えた。
「全てな」
「そうして頂けますか」
「卿が憲兵総監になるのだ」
「それならですね」
「憲兵達のことも任せた」
 他ならぬ彼等のこともというのだ。
「全てな」
「それでは」
「私は決めた」
 グリモワール、彼を憲兵総監にすることをというのだ。
「後は総統が決定される」
「そして正式にですね」
「卿は動くことになる」
 その時からというのだ。
「それまでは憲兵隊に入る用意をしてもらう」
「今の役職からですね」
「陸戦副総監からな」 
 その役職からというのだ。
「そちらに入る用意をしてくれ給え」
「畏まりました」
「一兵卒、いや軍属の者に至るまでだ」
 まさに末端までというのだ。
「教育は徹底してだ」
「一ユーロまで、ですね」
「道に落ちているコイン一枚すらだ」
「己の懐には収めない」
「そうした教育を頼む」
「そこまで、ですね」
「そうする、とかく徹底することだ」
 厳正な風紀の維持をというのだ。
「思えば連合軍もだ」
「彼等も軍律については」
「非常に厳しかったな」
「衆愚達とはいえ」
「あの長官殿はエウロパにいてもだ」
 八条についてはだ、モンサルヴァートはこう言えた。
「かなりの地位にいるだろう」
「そうですね、平民出身であろうとも」
「私が今いるこの場所にいてもおかしくはない」
 エウロパ軍務大臣の席にというのだ。 
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