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曇天に哭く修羅

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第一部
  弟子入り

 
前書き
早送り早送り。

原作がクトゥルフネタを使ってます。

原作に有る弥以覇のギャグはカット。 

 
気を失った《立華紫闇(たちばなしあん)

彼は何故か見知らぬ場所に居た。

真っ白で広大な空間。

地平の果てが見えない。

本能的に限りが無いことが解る。

そこに在るのは【門】

古びて黒い。

そして途轍もなく巨大(でか)かった。


(なんだこれ……?)


不気味だ。

名伏し難い恐怖が溢れる。

けれど懐かしい。


(何処からか……)


遠方からの音楽。

奏でられている。

耳に心地良いものでない。

おどろおどろしい醜さを含む。

騒がしい害なす悪響。

紫闇の体が溶けていく。


そして『何か』を見る。


(あっ)


誰だと思う間も無く意識は暗転した。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


紫闇が(まぶた)を開く。

一人の老人と白銀の髪を持つ青年。

青年は《永遠(とわ)レイア》

紫闇より一才上の幼馴染み。

老人は《江神春斗(こうがみはると)》に助けられる直前、黒髪の少女と一緒に歩いていた祖父らしき人物。


「起きたか小僧」

「目が覚めたみたいだね」


二人が声を掛けた直後、少女が現れる。

紫闇は彼女が【刻名館学園】の生徒を相手に尋常でない強さを見せていたことを覚えていた。

彼は上半身を起こす。

どうも屋敷の居間っぽい。


「怪我が治ってる……?」

「企業秘密というやつかな」


レイアが微笑みながら告げると紫闇は彼の方を向いてその姿を眺めだした。


「久し振りですね。レイアさんと会うのは」

「一年くらいフラフラしてたからなぁ」


少女と老人は二人の様子を見ているだけで何かしようとする気はないようだ。


「取り敢えず自己紹介でもしておけば?」


レイアに促された紫闇が名乗る。


「助けてくれてありがとう。俺は【龍帝学園】の一年生で立華紫闇って言います」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「あたしは《黒鋼焔(くろがねほむら)》。君と同じ龍帝学園の二年生だよ。そしてこっちが」

「ワシはこの屋敷の主で焔の祖父《黒鋼弥以覇/くろがねやいば》じゃ」


紫闇は何故彼等が自分のことを助けてくれたのかを尋ねてみることにした。


「いや、助けるつもりなんて無くてね。ただ暴れたかっただけなんだよ。その為にレイア兄さんと街をウロウロしていたんだ」

「ワシは孫とレイアが拾ってきた奴を無下に放り出したくなかったから屋敷に入れたんじゃよ」


別に好意ではなく、興味や気紛れで紫闇のことを助けてくれたのだろうか。


「感謝するなら彼にした方が良い」

「今は修業の旅に出とる焔の両親とワシが認める後継者の一人がレイアじゃからの。貸しを作っておくに越したことはないわい」


紫闇は再びレイアを見る。


「何が有ったか話してくれないか?」


その言葉に紫闇は事情を語り出した。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


紫闇から話を聞いたレイアは彼が強くなりたいのだということを理解できた。

【異能】が宿らない『規格外』と言われている【魔晄外装(まこうがいそう)】でありながら、焔が何故あそこまで強いのかという秘密を知りたがっていることも。


「一応言っておくけど」


焔が右腕に外装を顕現する。


「確かにあたしは君と同じ規格外の外装を持つ【魔術師】。でも今は違う。異能も【超能力】も使えるんだよ。まあ使わなきゃならない相手なんて数えるくらいしか居ないけど」


レイアは弥以覇に目配せした。


「立華の小僧よ。我等が【黒鋼流体術】を修めれば焔には勝てんかもしれんが有象無象に負けることは無い。弟子入りしてみるか?」


願ってもいなかった誘いに紫闇は驚く。


「はい、弟子にして下さい!」

「良い返事じゃな。では聞かせてもらおう。貴様は何の為に強くなろうとする?」


弥以覇から気の塊をぶつけられるような圧力と鋭い視線が放たれた。

紫闇は思わず(ひる)みそうになるも、『負けてたまるか』という思いで耐え抜く。


「自らの力で道を切り(ひら)き、胸を張りながら己の道を一直線に歩む。その為に力が欲しい。強くなり限界を超えて、その末に過去の英雄達のような輝かしい存在になりたいんです」


レイアが肩を叩くと弥以覇が大きく息を吐いてポリポリと自分の頭を()いた。

そして僅かに口の端を上げて笑う。


「貴様も馬鹿野郎の一人というわけかよ」

 
 

 
後書き
原作と違って焔の両親は白鋼水明に殺されていないのでオリキャラから習った戦闘技術や写輪眼の特殊能力を覚醒させた上で長い修業の旅に出ました。

目標は異能を抜きにした魔晄と外装の力だけで水明に勝てるようになること。

二人も焔も黒鋼以外の力も使えば楽勝なんですが黒鋼の力で勝つことに拘っています。 
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