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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その十一

「それだけ食べました」
「そして食べられるだけですか」
「健康ということで」
「そうなりますね」
「はい、食べた分だけです」
「お仕事にもですね」
「励めます」
 自分で自分に太鼓判を押した言葉だった。
「十二分に」
「それではこの首脳会議も」
「是非共という感じで」
「そうですか、では」
「はい、今から」
 こう話してだ、そのうえで。
 各国の首脳達は話をはじめた、その話の主題はというと。
 そのグリーニスキーがだ、話を切り出した。その食欲に裏付けられた健康さを遺憾なく発揮したというところか。
「マウリアのことですが」
「はい、人口統計調査を行いましたね」
「これまでのやり方を一新した」
 白髪の四十代の男、王智に答えた。シンガポール大統領であり白髪は父の家系から受け継いだものだ。
「連合、我々のやり方で行った」
「アウトカースト層も人口統計に加えた」
「そうした統計調査を行いました」
「アウトカースト層の人口統計を行い」
「彼等の経済規模の調査も行った」
「マウリアの全てを把握し国家が掌握するものでした」
「そしてそれを行った結果」
 グリーニスキーはさらに言った。
「マウリアの実態がわかりましたね」
「一千億もの人口が加わりました」
 王が言った。
「アウトカースト層のそれが」
「そして彼等の総生産もです」
 今度はマックリーフが言った、褐色の肌に青い目が光っている。
「統計として出ましたが」
「いや、これがかなりですな」
 李はマックリーフのその言葉に応えた。
「ありますな」
「はい、かなりのもので」
 マックリーフは李に答えた。
「マウリアの表の総生産の半分はありました」
「他にもこれまででは統計に出ていなかった総生産もあり」
「マウリアの総生産量は二倍弱にまで増えています」
「かなりのものですね」
「そうなりましたね」
「三千億の人口に」 
 それに加えてだった。
「それだけの総生産となり」
「かなりの国家になりましたね」
「一つの国として人類社会で最大になりました」
 連合は三百以上の国からなる国家連合だ、一国一国では然程大きくない国家も多いのが実情である。
 それでだ、太平洋諸国の首脳達も言うのだ。
「統計であそこまでわかるとは」
「予想以上の大きさでした」
「いや、物凄いことです」
「マウリアの実情があそこまでとは」
「まことに予想以上でした」
「しかもです」
 マウリアの実情、予想以上の巨大さだけでなくだった。彼等が注視しているのは。
「アウトカースト層の社会は機能的で」
「実によく整っています」
「まさにもう一つの政府」
「マウリア内のそれですね」
「合理的に動いてもいますし」
「侮れません」 
 こちらもというのだ。
「実に」
「全くですね」
「あの主席殿も」
 自然とだ、話はジャバルのものにも移った。 
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