| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十二部第四章 気付きだした者達その五

「人への偏見は克服されたわ。けれど」
「マウリアではですね」
「あの国、ヒンズー教にもね」
「穢れ思想があり」
「そしてその穢れを担うのがね」
「アウトカースト層なのですね」
「汚物の処理等をね」
 日本の被差別階級と同じ様にだ。
「担っていたわ」
「だからマウリアではですね」
「穢れとみなされてね」
「差別されていて」
「社会から除外されていたわ」
 マウリアの表社会からというのだ。
「そうなっていたわ」
「そうなのですね」
「そして社会から除外されていたけれど」
「こうした方もですね」
 小柳も伊東が差し出したジャバルの写真を見て述べた。
「おられるのですね」
「そうよ」
「やはりそうなのですね」
「あの国はね」
 伊東はまた言った。
「そうした思想があって長い間わからないことが多かったわ」
「そのアウトカースト層のことが」
「そう、けれどね」
「それでもですね」
「わかってきたからには」
「より一層ですね」
「調べていき相手の手の内を見て」
 そのうえでというのだ。
「政治を進めていくわよ」
「マウリアへのそれを」
「勿論主な外交は連合国内で行われるけれど」
「マウリアに対してもですね」
「予算と人員の許す限りね」
「予算も人もですか」
「スタッフを増員してね」 
 マウリアへのそれをだ。
「調べていくわ、ただ」
「人材がですね」
「マウリア通がね」
「少ないですか」
「外務省にもね」
 このことを言うのだった。
「外務省とも詳しく話していくけれど」
「マウリアに明るいスタッフは」
「少ないわ」
「そうなのですね」
「連合各国についてはね」
「それぞれですね」
「詳しい人がいるわ」
 主な外交を行うこの国々についてはというのだ。
「どういった国にもね」
「それでもですね」
「マウリアとなるとね」
「人材がですね」
「いないわ」
 これがというのだ。
「連合国内には強くても」
「はい、マウリアには」
「長い間二の次でね」 
 それが実情だったのだ、もっともこのことは日本だけでなく連合のあらゆる国がそうであるのだ。どんな国でもだ。
「中々ね」
「人材がですね」
「いないわ、このことをね」
「どうするかですね」
「優れた人材が見付かれば」
 その時はというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧