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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その四十二

「有り難いことに。ですが」
「軍事のことはか」
「私は疎いです」
 自分の欠点もはっきりと言った。
「どうしても」
「それを自覚しているか」
「はい」
 まさにと答えた。
「その通りです」
「そうなのだな」
「アウトカースト層全体がです」
 まさに彼等がというのだ。
「軍事に携わる者達がいないので」
「どの階級もだな」
「はい、いません」
「だからか」
「そちらは弱いです」
「警察や消防署があってもか」
「軍隊は必要なくなったので」
 話が戻った、国防は表の政府が担っていた。このことが彼等の政府にとって非常に大きかったのである。
「そのこともあり」
「成程な」
「しかし私はです」
「マウリア政府の主席になるな」
「それならば」
「当然国防も知らねばならない」
「絶対に」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そのことを踏まえていてもらう」
「わかっています」
 ジャバルも毅然として答えた。
「そのうえで」
「君にはこれからも協力してもらう」
「マウリアの為に」
「君の資質を見極めた時に」
 まさにその時にとだ、ジャバルはまた言った。
「私は君に相応しい席を用意する」
「ではそれ以上のものをお見せしましょう」
「その言葉も期待している」
「それでは」
 こうしたやり取りをしてだ、ジャバルはクリシュナータと二人だけの約束をした。それはマウリアの将来を決める様なものだったがそのことを知る者は今はいなかった。 
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