| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十二部第三章 ジャバルという男その四十

「わかりません」
「アッディーン大統領かシャイターン主席か」
「国力ではオムダーマンが有利です」
 アッディーンのこの国がというのだ。
「しかしです」
「シャイターン主席も傑物だな」
「人材もオムダーマンの方が多いですが」
「それでもだな」
「はい、決定的なものがありません」
 オムダーマン、この国にもというのだ。
「若しアッディーン大統領が過ちを犯せば」
「そこからだな」
「シャイターン主席にも勝機が訪れます」
 そうなるというのだ。
「ですから」
「サハラについてはか」
「私もどちらとは言えません」
「そうなのか」
「統一されることは間違いないにしても」
「どちらが統一するかはだな」
「わかりません」
 ジャバルのその目を以てしてもというのだ。
「どうしても」
「そうか」
「将来あの国とも向かい合うでしょうが」
「君自身もだな」
「はい、しかしどちらが統一するかは」
「まだわからないか」
「これからです」
 それがはっきりするのはというのだ。
「あくまで」
「あの国はわからないか」
「統一してからは飛躍的にです」
「発展するか」
「豊か資源を使って」 
 サハラにあるそれをというのだ。
「そうなるでしょう、軍事費もです」
「民政に回せてだな」
「その分発展します」
「軍事費は支出だけだ」
 クリシュナータは政治家それも国家元首として言った。
「必要だが」
「はい、過度にそれに向けますと」
「国家財政に影響を及ぼす」
「支出だけなので」
「それが問題だ」
「我が政府は軍隊はありませんでした」
 アウトカースト層の政府はとだ、ジャバルは自身が主席を務めるその政府の話をした。
「警察や消防署はありますが」
「国防は我々が担っていたからな」
 マウリア政府がというのだ。
「だからだな」
「はい、そうです」
「そしてその分だな」
「財政もです」
「楽だったか」
「軍事費の問題は大きいですから」
「必要だ」
 軍事費はとだ、クリシュナータは言い切った。
「国防なくして政治はない」
「全くです」
「しかしだ」
「軍事費は収入がありません」
「出るだけだ」
「そこがネックです」
「維持費も膨大でだ」
 軍隊が大きければ大きい程だ、このこともまた問題であるのだ。
「兵器の設備や技術への投資も膨大だ」
「そうしたものが全て軍事費です」
「しかし企業の方もだ」
 その兵器の開発製造を担当する彼等もというのだ、マウリアにしてもそうした企業は存在しているのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧