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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その三十五

「多くの頭がある」
「そうした国か」
「そう感じました」
「そしてその多くの頭がか」
「それぞれ独自に動いてます」
「そうだな、しかし中央政府が」
「やはり軸です」
 例え権限が弱くとも、というのだ。
「あの国の」
「そうなのだな」
「そのことは変わりがありません」
「権限が弱いと言っても他国の中央政府と比較してだな」
「しかしやはり連合の各国政府との力関係は」
 それはというのだ。
「中央政府優勢なのは確かです」
「無数の頭の中央だな」
「紛れもなく」
「そのことは確かであり」
「やはりマウリアにも最も力を注げるのは」
「中央政府だな」
「そうなります」
 このことが事実だというのだ。
「非常に、ですから」
「あの政府にだな」
「連合については最も注意していきます、連合は侮れません」 
 決してというのだ。
「巨大で恐ろしい力を持った国です」
「力が分散されていてもだな」
「分散されていても強いことは強いです」
 このことは否定出来ない事実であるというのだ。
「そのことを目で見て実感しました」
「一年回ってか」
「学生時代に。あえて単位を多く取り」
 そして一年空けてというのだ。
「見てきて感じ取りました」
「最初から連合を見るつもりでか」
「学生時代はそうしました」
 単位を多く取ったというのだ、その一年に余裕を作る為に。
「そして巡ってわかりました」
「連合は強いか」
「一つになることはすぐには絶対にないですが」
 各国政府、そして各種の組織なり団体なり個人なりの力が強くてだ。企業も組合も市民団体もある。とかく様々な勢力がモザイクかつ多層に重なり合っている国なのだ。
「しかしそれでもです」
「強い国か」
「桁外れに豊かで技術も素晴らしいです」
「我々より数百年もだな」
「進んでいますので」
「侮れないか」
「首脳会談や会議もそれぞれの国にいて出来ます」
 そうしたこともというのだ。
「そうした場に映像で移動することにより」
「それも大きい技術だな」
「はい、あの広大な領土も一月で端から端まで行けます」
 銀河系の半分を占めるその領土をというのだ。
「移動技術も」
「かなりだな」
「我々とは比べものになりません」
「ひいてはエウロパ、サハラとはだな」
「さらにです」
 マウリア以上に技術が遅れているこの国々と比べればというのだ。
「進んでいます」
「それが連合だな」
「そして確かに各国に権限が強いですが」
「まとまりが弱くともか」
「筋はありますので」
「分裂とまではいかない」
「あの国は江戸幕府でしょう」
 ジャバルは日本のこの政権の名前を出した。
「より各藩の権限を強くした」
「あの頃の日本か」
「確かに分権が強いですが」
「それでもだな」
「中央政府は常に確かな権限を持っています」
「貨幣鋳造権、軍隊の最高指揮権等をだな」
 最近間で国防省はなかったが中央政府大統領が各国軍を非常時には指揮出来ることが定められていたのだ。 
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