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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その三十六

「外交の最高権等もな」
「最初から持っていますので」
 だからだというのだ。
「各国政府と比較して強く」
「租税権もあるしな」
「予算もありますので」
「やはり強いか」
「江戸幕府です」
 その幕府の軸となったこの政権だというのだ。
「むしろ開拓地や開発地を決定出来るので」
「幕府よりも強いか」
「そうした一面もあります」
「だから千年以上も国家としてまとめられている」
「途中様々な改革もありましたし」
 停滞の時代もあった、連合も様々なことがあったのだ。
「国家としてあり続けています」
「戦争もなくな」
「平和なまま発展もしてきました」
「我々もそうだがな」
「我々よりもハイペースなまま」
 非常にというのだ。
「発展してきてです」
「あれだけの国になった」
「民度も猥雑だの雑多だの言われていますが」
 主にエウロパ側からだ。
「しかし決して低くはありません」
「賢明か」
「騒がしいですが根は理性的です」
 連合の市民達はというのだ。
「現に暴動は滅多に起こっていませんね」
「そうだな、それは聞かないな」
「安定していますし」
 社会自体がだ。
「文化も成熟しています」
「あの国は文化もな」
「見事ですね」
「常に果樹が実っている木だ」
 連合の文化、それはとだ。クリシュナータはこう表現した。
「一つの実が実りだ」
「そしてですね」
「その実が爛熟すればだ」
「もう一つの実が実っていく」
「そうしたものだ」
「連合の文化は」
「だからいいのだ」
 まさにというのだ。
「君はその連合の文化も見てきたか」
「そうしてきました」
「そして素晴らしいと思ったのだな」
「平和で安定して豊かな社会だからこそ」
「技術も文化もな」
「常に進歩してだ」
 そのうえでというのだ。
「成熟していくのだ」
「そういうことですね」
「そうしたものをその目で見てか」
「私は思います」
 まさにとだ、ジャバルは答えた。
「あの国は強いです」
「利用はしても」
「対立はしてはなりません」
「決してだな」
「はい、そしてエウロパも」
 この国はというと。
「何度か行っていますが」
「あの国にもですか」
「旅行が趣味でして」
 ジャバルは自分の趣味も話した。
「もっと言えば妻が」
「細君がか」
「好きでして付き合ってです」
 そうしてというのだ。
「こちらも趣味と言っていい」
「それでか」
「はい、エウロパにも足を運んでいます」
 自身のそれをというのだ。 
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