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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その三十四

「その余裕がない」
「関心もなく」
「だからだ」
「左遷先にもですね」
「ならない、しかしだ」
「送る人材は必要なので」
「一人か二人のだ」
 まさにそうした数のだ。
「少数だが高給で雇っただ」
「臨時雇いのスタッフを」
 その彼等をというのだ。
「入れていますね」
「正規ではない」
「あくまで」
「外交官は置かなくてはならないが」
「それでもですね」
「正規の者を派遣出来る余力はない」
 人材の問題でだ。
「国によってはマウリアにだけ置いてサハラ各国の外交も行わせていた」
「そうした国もあtった程ですね」
「連合各国はな」
「そうした状況の国もありますね」
「だから各国はだ」
「あまりですね」
「意識しなくていい、大事なのは中央政府だ」
 あくまで彼等だというのだ。
「こちらの情報収集にも力を入れているしな」
「そうした相手だからこそ」
「注意が必要だ」
「その通りですね、連合はマウリアとはまた違いますね」
「中央政府があるが」
 しかしとだ、クリシュナータも連合のことを理解して言った。
「あの国はな」
「中央政府の権限は弱く」
「各国政府の権限が強い」
「独自の外交も行う程に」
「そうした国だからな」
「マウリアとは異質ですね」
「全くな、力を入れていないといっても外交官は派遣してくる」 
 その連合各国はというのだ。
「形だけでも」
「マウリアでは考えられないですね」
「各州、各藩王領にも権限があるが」
 それなりのだ、マウリアも地方自治は強い。この国も国家連合ではあるのだ。
「あそこまでは強くはない」
「実は連合に行ったことがあります」
 クリシュナータにだ、ジャバルはこのことも話した。
「実は」
「そうだったのか」
「学生時代に」
「そうだったのか」
「はい、そしてです」
「あの国についてもか」
「その目で見てきましたが」
 そのうえでの言葉だというのだ。
「マウリアとは全く以てです」
「やはり異質か」
「一年の間見回ってきましたが」
「そのことを感じたか」
「かなり強く」
 そうだったというのだ。
「各国それぞれの権限が相当に強く」
「独自性が強いな」
「そうした国でした」
「そのことを見て実感したか」
「強く、中央政府もありますが」
「各国がだな」
「強いです、そして各国が独自に動いています」
 時としてだ、中央政府とは別にというのだ。
「アナンタ龍の様に」
「千の頭があるか」
「はい、あの龍の様に」
 まさにというのだ、ヒンズー教の三大神の一柱であるヴィシュヌ神をその上に横たえさせる巨大な千の頭を持つナーガ神族の中でもとりわけ力を持つ存在だ。 
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