| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十二部第三章 ジャバルという男その三十二

「そうします」
「そうか」
「気付かれてもです」
「それでいけるならか」
「確かな証拠さえ掴まさなければ」
「いけるのが政治だな」
「ですから」
 それでというのだ。
「進めます、しかし」
「証拠はだな」
「掴ませません」
 そこは絶対だというのだ。
「相手に」
「その自信があるか」
「私の手の内を見られるのは」
「人では無理か」
「神々だけです」
 まさにというのだ。
「連合でもエウロパでも」
「人ではか」
「見られません、近くにいればわかりませんが」
「遠くにいればか」
「無理です」 
 それはというのだ。
「他国にいれば」
「連合でもエウロパでもだな」
「はい」
 まさにというのだ。
「掴ませることはしません」
「そうなのだな」
「ギルフォード総統でも」
 その彼でもというのだ。
「近くにいませんので」
「無理か」
「はい、もっとも近くにいましても」 
 それでもというのだ。
「あの総統殿でもです」
「手の内は絶対にか」
「見せません」
 その自信があるというのだ。
「あの総統殿でも」
「かなりの人物だがな」
「英雄ですね」
 ギルフォード、彼もというのだ。
「紛れもなく」
「君が見てもか」
「はい、かなりの資質の方です」
 このことは認めるのだった。
「紛れもなく、ですが」
「それでもか」
「謀略ならばです」
「君の方が上か」
「あの方はどちらかというと正統派ですね」
 正統派の政治家だというのだ、彼は。
「政治力と統率力でことを進める」
「表のな」
「カリスマで人を集め」
「君と似ていると思うが」
「はい、しかしです」
「あの総統殿は影の力は備えていないか」
「あの御仁は日輪です」
 それになるというのだ。
「この世の、エウロパの」
「日輪は影はない」
「はい、私は日輪ではありません」
 そこはだ、ジャバルは否定した。それもはっきりと。
「間違っても」
「陰があるか」
「その陰がです」
「謀略か」
「そちらもあります、しかし」
「あの総統殿はか」
「使われる時があるかも知れませんが」
「メインではないか」
「はい」
 あくまで、というのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧