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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その二十三

「それでいい」
「左様ですね」
「連合とエウロパが争えばな」
「それで、ですね」
「我々はバランサーとして存在価値がありだ」
「利益も得られる」
「その通りだ」
「しかもですね」
 青年はさらに言った。
「今連合は中央政府の力が強まり」
「力が一つに集まりな」
「これまで以上に力を発揮出来ています」
「だからだ」
 それでというのだ。
「連合は強くなっている」
「このままでは連合が強くなり過ぎて」
「エウロパを完全に凌駕してだ」
「バランサーさえ不要となります」
「だからだ、連合への工作が行われてその力が弱められるのなら」
「我々にとっても有り難いことです」
「その通りだ、だから私もだ」
 クリシュナータの考えもというのだ。
「エウロパについてはな」
「好きに動いてもらう」
「そうして連合に対してもらいたい」
「その通りですね、むしろ」
 ここでだ、こうも言った青年だった。
「我々が手助けをしてです」
「エウロパの工作をだな」
「手助けしたいです」
「そうも考えているか」
「無論我々は面立ってはしませんが」
「裏からだな」
「そうすべきかと」
 まさにというのだ。
「我々は」
「むしろ積極的に助けるべきか」
「そう思いますが」
「そうか」
「如何でしょうか」
「連合に勘付かれてはまずいが」
「はい、ですから裏からです」
 表立って助けるのではなくというのだ。
「そうしていくべきです」
「そうなのか」
「そうか、しかし」
「しかしとは」
「君はかなり積極的に動くな」
 こう青年に言うのだった。
「こうした時は」
「そうでしょうか、待っているよりもです」
「動く性分か」
「私は」
「だからか」 
 こうもだ、クリシュナータは青年に言った。
「君は今の地位に至るか」
「そうも言われますか」
「そうも思ったがどうだ」
 クリシュナータは青年に問うた。
「二十代で議員、閣僚そしてだ」
「主席にもですか」
「なったのではないのか」
「否定しません」
 冷静にだ、青年即ちジャバルクリシュナータに答えた。
「そうなるかと」
「やはりそうか」
「はい、私もです」
「積極的に動く方か」
「そうした主義です」
「そして今に至るか」
「そうなるかと。待つこと黙って観ていることはです」
 どうにもとだ、ジャバルはクリシュナータに答えた。 
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