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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その十五

「アウトカースト層は不可触民で」
「触れることすらですね」
「お互いに許されていません」
 カーストの者からもというのだ、この時代ではこのことがとかく徹底されていてかなり分化されているのだ。
「そうなっていますが」
「食事の同席もですね」
「高いカーストの店がありますし」
「アウトカーストにもですね」
「アウトカーストの店があります」
 これがマウリアだ、エウロパも貴族用の店と平民用の店があるがマウリアのカーストによるそれはさらに細かく区分されているのだ。
「彼等の為の店が」
「そうした社会だからこそ」
「はい、触ることもです」
「許されていない」
「それがマウリアですが」
「そうですね、しかしです」
「それをですね」
「それはマウリアのことです」
 あくまでというのだ。
「我々は貴族と平民がありますが」
「不可触となると」
「存在しないです」
「だからですね」
「政府の代表ならば」
「君主に等しい」
「ですから」
 そう考えるからこそというのだ。
「その礼で」
「そうしますか」
「それでは」
「マウリアのカーストのことはマウリアでは重要ですが」
 何かとだ、それが社会の秩序も形成しているからこそだ。
「しかしです」
「それだけではない」
「そうなりますか」
「マウリアであろうとも」
「それでも」
「そうです、エウロパはエウロパでもあります」 
 サントスはまた大使館員達に話した。
「エウロパの考えで応対すべきです」
「連合より先に」
「そうしてですね」
「あの国より先に接触しパイプを築く」
「そうしますか」
「アウトカースト層は千億です」 
 それだけの数が存在しているというのだ。
「ですから」
「彼等とパイプを築いて」
「そのパイプを太くしていきますか」
「これまで以上に」
「そうしていきますか」
「そのつもりです、パイプはです」
 何といってもというのだ。
「太いに限ります」
「その為にも」
「ジャバル主席と接触しますか」
「礼を尽くしたうえで」
「そうしていきますか」
「そうしましょう、そしてジャバル主席は」
 彼自身のこともだ、サントスは話にだした。
「お若い方ですね」
「まだ二十八歳です」
「その若さで政府の元首となっています」
「大学を卒業してからです」
「まさに瞬く間にでした」
「彼等の政界を席巻した」
 こうもだ、ジャバルは言った。
「そうも言えますね」
「議員から閣僚、元首にです」
「二十代で上り詰めていますから」
「そう言ってもいいですね」
「まさに」
「そうですね、素晴らしいと言うべきか」
 彼のその資質はというのだ。 
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