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星河の覇皇

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第七十二部第三章 ジャバルという男その十三

 ジャバルとの接触を計っていた、だがここで問題があった。
「作法はどうか」
「アウトカーストの作法はどうなのだ」
「これまで通りでいいのか」
「マウリア政府要人に対するそれでいいのか」
「政府は政府だしな」
「階級は気になるが」
「その階級が問題ではないのか」
 エウロパではこの階級、彼のそれが問題視されていた。
「シュードラは平民だ」
「それでも政府要人ならシュードラ出身者でも貴人として対応してきたが」
「アウトカーストはどうなのだ」
「奴隷の階級ではないのか」
 そこまで低いのではないかというのだ。
「もうエウロパに奴隷という階級はないが」
「しかしマウリアでの階級はどうだ」
「少なくとも平民ではない」
「ではどういった対応でいいのだろうか」
「そもそもマウリア政府の人間ではない」
 今のところはというのだ。
「ではどうする」
「彼への対応は」
「接触するにしてもだ」
「どういった風にするかだが」
 大使館の中ではジャバルをマウリア政府の要人として対応すべきかそうでないかという話になっていた、この辺り政府の代表であるから公人として対するだけだと割り切っている連合とは違っていた。階級社会であるが故の問題だった。
 大使館のその話を聞いてだ、大使であるエボリ=サントスは大使の権限で言った。
「政府の要人ではなく代表としてです」
「対しますか」
「そうされますか」
「はい」 
 こう大使館員達に述べた、大使の席から。
「そうします」
「そうですか」
「政府の代表だからですか」
「政府の代表として対する」
「その待遇で接触しますか」
「そうです、これから統合されますが」
 マウリアの表の政府、そこにだ。
「しかし今は政府として存在していますので」
「アウトカースト層の政府として」
「だからこそですね」
「その様に対される」
「そうされますか」
「総統にもその様に報告します」
 ギルフォード、彼にもというのだ。
「その様に」
「そうですか、では」
「その様にされてですね」
「そしてそのうえで」
「接触されますか」
「連合も動いています」
 エウロパにとって敵国であるこの国もというのだ。
「ですから」
「ここは、ですね」
「連合より先にジャバル主席と接触しますか」
「そうされますか」
「そうしましょう、彼の情報もです」
 それもとだ、サントスは次から次にという口調で言っていった。
「迅速にです」
「集めそしてですね」
「どういった人物か把握する」
「そのうえで接触する」
「そうされますか」
「私が主席とお会いします」
 サントスは自らと言った。
「大使として」
「そうされますか」
「はい」
 大使館員達に強い声で答えた。
「政府の代表ならばです」
「大使がですね」
「ご自身で会われますか」
「そうです、そして晩餐の用意も」
 それもというのだ。 
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