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オズのキャプテン船長

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第七幕その五

「それもまた」
「やっぱりそうですか」
「うむ、しかしである」
「しかしといいますと」
「戦いにはならないである」
 冒険の途中でよくあるそれはないというのです。
「それどころか吾輩達は大蛸と仲良しである」
「そうなんですか」
「そうである」
 まさにというのです。
「だから喧嘩することなくである」
「お宝を手に入れていますか」
「それに蛸はお宝に興味がないである」
 蛸のこのこともお話するのでした。
「だから安心である」
「そういえばそうですね」
「ドラゴンは別であるが」
「あっ、ドラゴンはお宝好きですよね」
「むしろ人間以上にである、しかしオズの国のお宝は無限である」
 それこそ幾らでもあるというのです。
「だからである」
「ドラゴンのお宝を奪ったりはですか」
「だから他の人のものは奪わないである」
 オズの国の決まりでそうなっているからです。
「だからである」
「されないですか」
「そうである」
 そこは絶対にというのです。
「誰も手に入れていないお宝だけである」
「探し求めて手に入れるのは」
「そうである」
「喧嘩までして何かを手に入れるなんてね」
 ここでまた海賊達が言います、何時しか海賊達は一行の船に来てソーセージやパン、ザワークラフトにライムを絞ってそのお汁を入れたラム酒を出してきて皆に振る舞います。勿論トロットもテーブル掛けで食べものを出しています。
 その中で、です。海賊達は恵梨香達に笑顔でお話するのです。皆大柄でいかつい顔立ちですがとても気さくで鷹揚な感じです。
「オズの国では絶対に駄目だから」
「そんなことはしないよ」
「絶対にね」
「僕達だってね」
 そこはというのです。
「それは言うよ」
「そんなことは絶対にしたら駄目だってね」
「他の人からものを奪ったらいけないよ」
「誰のものじゃないといいけれどね」
「オズの国の海賊はそうだよ」
「そこはしっかりと守っているよ」
「それは山賊もだからね」
 モジェボロは皆に彼等のお話をしました、教授や船長と一緒にライムのお汁が入っているラム酒を飲みながら。
「冒険をしてお宝を手に入れても」
「それでもですね」
「他の誰かから奪うことはね」
「しないんですね」
「オズの国の人達だからね」
 それでというのです。
「そうしたことはね」
「しないですか」
「うん、絶対にね」
 それこそというのです。
「悪いことをしたらいけないからね」
「だからですね」
「そうしたことはしないから」
 絶対にというのです。
「そうしたことは」
「そうなんですね」
 恵梨香は納得しました、そして皆と一緒に海賊達が出してくれたパンやソーセージ、ザワークラフト等を食べますが。
 パンはビスケットみたいに固めのものです、むしろ本当にビスケットと言っていい位です。そしてザワークラフトやソーセージを食べてです。 
 そうしてです、五人共言いました。 
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