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オズのキャプテン船長

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第七幕その四

「この海でね」
「そうだったね」
「久し振りであるな」
 チェーチ船長も二人にはにこりと笑って応えました。
「二人共元気そうで何よりである」
「ええ、チェーチ船長もね」
「全くであるな」
「そうよね、それで今は何をしてるのかしら」
「うむ、ここから南西の島に行ってである」
 そうしてとです、チェーチ船長はトロットに答えました。
「島の密林の奥にある財宝を手に入れるである」
「その為に船を出しているのね」
「そうである」
 船長はトロットに明るく笑って答えました。
「今から楽しみである」
「何か」
 恵梨香はチェーチ船長のお話を聞いて思いました。
「海賊というよりは」
「冒険者だよね」
 ジョージもこう言いました。
「そうだよね」
「うん、海賊は船や街を襲ってお金とか食べものを奪うけれど」
 カルロスは外の世界のお話をしました。
「それがね」
「この世界の海賊の人達は」
 神宝はオズの国の海賊のお話をします。
「冒険をして財宝を手に入れるみたいだね」
「それなら」 
 最後にナターシャが言いました。
「本当に冒険者ね」
「その通りである」
 まさにとです、チェーチ船長も五人の子供達に答えます。
「我等は言うならば海の冒険者である」
「やっぱりそうなんですね」
「船や街は襲わないである」
 決してという口調でした。
「オズの法律で盗みは禁止されているからである」
「それに悪いことをしたらいけないからね」
 船長以外の海賊の人達も言ってきました。
「だからね」
「僕達はそんなことはしないよ」
「オズの国の住人だからね」
「昔この辺りの島にとても悪い人達がいたけれどね」
「僕達は違うから」
「ああ、そういえばいたね」
 モジャボロは海賊の人達のお話に頷きました。
「昔ね」
「そう、リンキティンク王も関わったお話だったよ」
 教授がモジャボロに答えました。
「因果応報で報いを受けたけれどね」
「あの頃はオズの国は大陸全土でなくて」
「外の海もオズの国ではなかったからね」
「悪い人達もいたね」
「そうだったからだよ」
「吾輩達はあの様な者達とは違うである」
 チェーチ船長もこう言います。
「決してである」
「だからなんですね」
「そんなことはしないである」
 チェーチ船長は恵梨香にきっぱりと答えました。
「航海とその途中の食事とお酒を楽しみ」
「お宝を手に入れるんですね」
「そうしているである」
「他の人から奪ったりせずに」
「そうである」
 まさにというのです。
「冒険で手に入れるである」
「それで海の底にも入ってですか」
「お宝を手に入れるである」
「じゃあ海の底で大蛸と巡り合ったりとか」
「あるである」
 実際にとです、チェーチ船長は答えました。 
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