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レーヴァティン

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第百二十二話 関西からその十一

「うどんに野菜にだ」
「お刺身ををだね」
「楽しんでもらう、そしてな」
「この十河城からだね」
「ことを進めよう」
 こうも言うのだった。
「しかとな」
「そういうことだね」
「とにかくまずは讃岐を完全に掌握してな」
「それから次の手だね」
「伊予か阿波となるが」
「同時に進んでもいいじゃろ」
 当季は笑って英雄に提案した。
「阿波と伊予はのう」
「俺達にその力があるからか」
「そうぜよ、ここには備えと守りで二万の兵を置いて」
 讃岐にはというのだ。
「そしてじゃ、伊予に五万でじゃ」
「阿波に三万か」
「それだけ兵を送ってぜよ」
 その様にしてというのだ。
「二国共掌握するぜよ」
「そうすればいいか」
「わしはそう思ったがのう」
 うどんを食いつつ言うのだった。
「どうじゃ」
「いいな、だがな」
「それでもか」
「両国次第で送る兵はな」
「考えていくんじゃな」
「何なら関西から援軍を送らせてだ」
 その様にしてというのだ。
「兵を増やしてな」
「そのうえで攻めるんじゃな」
「若しくは一国ずつだ」
「地道にじゃな」
「攻めていくかだ」
 このやり方も話すのだった。
「四国は全て領有するにしてもな」
「それでもっちゅうんじゃな」
「その手順はな」
 それはというのだ。
「一つではない」
「そういうことか」
「そうだ、だからな」
「二手に分けるっちゅう方法はか」
「考えるが」
 それでもというのだ。
「まだな」
「この讃岐じゃな」
「この国の掌握だ」
 こう言ってだった、英雄はまたうどんをすすった。そしてうどんをまた一杯頼んですぐにそのもう一杯にだった。
 箸を進めさせた、それで言うのだった。
「やはり美味いな」
「そうじゃな」
 見れば当季も食べている。
「コシがあってぜよ」
「風味もよくてな」
「これなら何杯でも食えるぜよ」
「噂通りだ、いや」
 こうもだ、英雄は言った。
「この世界でもだな」
「ああ、起きた世界と同じくじゃのう」
「讃岐うどんは美味い」
 こう言うのだった。
「実際にな」
「わしは起きた世界の讃岐、香川に言ったことがあるがのう」
「それでうどんを食ったか」
「そうぜよ、それで」
「この美味さだったか」
「そうだったぜよ」
 英雄にうどんを食べつつ笑顔で答えた。
「だからこっちの世界でもぜよ」
「美味いとだな」
「言うべきじゃな」
「そうだな」
「ほなうどんも食うて」
「刺身や野菜もな」
「栄養バランスはいつも頭に入れておくぜよ」
 このことにもだ、当季は言及した。
「そうして食うものぜよ」
「全くだ、勿論そちらも食う」
 英雄はそちらにも箸を進める、そうしてうどんを中心とした昼食を楽しんだ。そのうえで讃岐の掌握を目指すのだった。


第百二十二話   完


                  2019・7・15 
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