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レーヴァティン

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第百二十三話 讃岐からその一

               第百二十三話  讃岐から
 英雄達の讃岐掌握は順調だった、讃岐にいる国人や寺社の諸勢力は上陸し十河城に入った彼等にだ。
 むしろ自分達から降る勢力が多かった、英雄はこのことについてこう言った。
「俺達の勢力の大きさからか」
「そうみたいやな」
 耕平が応えた。
「十万の兵を率いてるって聞いてな」
「戦っても無駄だってか」
「思ってや」
 それでというのだ。
「もう讃岐の諸勢力はな」
「自分達から降っているか」
「讃岐は大きな勢力で兵は精々数百人や」
「俺達から見れば小さいな」
「そんな勢力で十万の兵を見たらな」
 耕平はさらに話した。
「もう絶対に勝てへんってな」
「思ってだな」
「それでや」
「自分達から降るか」
「そや、つまり今のわい等はな」
 耕平はこうも言った。
「戦わずして勝つ」
「そうした状況か」
「孫子の言う理想的な状況や」
 戦わずして敵が降っていき讃岐の掌握という目的を進めていっている、まさにこのことがというのだ。
「まさにな」
「そうか、いいことだ。だが」
「自分の考えではやな」
「戦になることもな」
 このこともというのだ。
「覚悟していたが」
「上陸の時は実際に戦になったしな」
「そこからもと考えていたが」
「逆にその上陸の時に勝ってや」
 それでというのだ。
「わい等の強さが讃岐中に伝わってな」
「それでだな」
「讃岐の諸勢力もな」
 その彼等もというのだ。
「自分から降ってるんや」
「大軍でしかも強いとか」
「もう言うことはないからな」
「それでか、ではだ」
「このことをやな」
「活かしていこう」  
 讃岐の諸勢力が降っていっている状況をというのだ。
「是非な」
「そうしていくな」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「阿波や伊予の勢力もそうして」
「こっちに降るんやったらやな」
「迎え入れる、だがな」
「降らん勢力はやな」
「兵を送ることはな」
 このことはというのだ。
「していく、人をやって降らないならな」
「降る様に勧めて従わんなら」
「その時はな、だが讃岐ではな」
「その勢力はかなり少ないかな」
「もうないか、か」
「どっちかやな、まあほんま戦わずして勝つのは」
 その状況はとだ、耕平は笑って話した。
「最高やな」
「それこそがな」
「そうっちゃな、このままいけば」
 留美も言ってきた。
「讃岐はほぼ無傷でっちゃ」
「掌握出来るな」
「そしてっちゃ」
 留美はさらに話した。
「後は政を進めることっちゃな」
「そうもしていくが」
 ここで英雄はさらに言った。 
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