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星河の覇皇

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第七十二部第二章 アウトカースト政府その十五

「そしてシェラスコも」
「あれもいいね」
 ブラジル料理だ、牛肉の塊を鉄の串に何個もまとめて突き刺しそのうえで焼く。焼いたその肉を切って食べていくのだ。
「私も好きだよ」
「しかしこの国でシェラスコをしようと思いますと」
「鶏肉か羊肉だね」
「あとは山羊肉ですね」 
 そして豚肉だがこちらはムスリムが食べない。
「そうなりますね」
「そうなるね」
「そうしたものも悪くないですが」
「牛肉好きとしてはね」
「辛いです」
「結婚すると」
 そしてヒンズー教徒になった場合はだ。
「間違ってもね」
「食べられませんね」
「若し食べると」
「大変なことになります」
「死刑もあるかな」
「マウリアでは牛は人間と同じ位の権利が認められています」
 この時代では牛の戸籍まである、アウトカースト層は除外されているが牛については別というのがこの国だ。
「車で跳ねてもです」
「昔ながらの四輪の自動車で」
「そうしますと若し牛がそれで死にますと」
「交通事故でね」
「裁判となります」 
 実際にそうなる、牛を殺せば殺人罪ではなく殺牛罪となる。神の使いであるからだ。特に白い牛であった場合が問題となる。
「実際に裁判に問われてです」
「死罪もあるね」
「牛に関しては」
「異教徒の我々もそうなるし」
「ましてやヒンズー教徒になりますと」
「戒律を守らないといけない」
「それで、です」
 異教徒ならばまだヒンズー教の教義を理解していないのでそこを考慮されるというのだ、マウリアではこうした考えであるのだ。
「かなり重い刑罰になります」
「牛のことについても」
「そうしたこともありますし」
「マウリアの女性との結婚はね」
「連合市民にとっては困難です」
「そうだね」
「あまりにも異質過ぎます」
 連合とマウリアはというのだ。
「ですから」
「我々が結婚するとなりますと」
「連合市民の女性だね」
「同性でもですね」
 同性婚の話も出た、連合ではイスラエル以外の国では認められていて中央政府の法律でも認められている。
「連合市民に限ります」
「その通りだよ」
「ですからマウリアにいますと」
「風俗は行けてもね」
 大使はかなり踏み込んだ話をした、二人で寝食を共にしている間柄だから話せた。
「それでもね」
「はい、結婚となりますと」
「風俗は言うならば遊びで」
「ストレス解消ですね」
「そうしたものだからね」
「あえて言いますと」
「人間、特に我々みたいな独身の男には必要だよ」
 性欲発散の為にとだ、大使は言った。
「どうしてもね」
「善悪は別にしまして」
「だから古来よりある」
 売春と言ってもいいがこの職業がというのだ。
「そうしたものだからね」
「必然としまして」
「あることは事実だから」
「それは否定出来ないですね」
「批判する人もいるがね」
 風俗産業自体をだ、女性の権利やそうした問題からだ。これは男性が従事している風俗産業も同じだ。連合やエウロパで言われていることだ。 
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