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星河の覇皇

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第七十二部第二章 アウトカースト政府その十二

「私もね」
「やはりそうですか」
「偏見はないに限ると思うから」
「何も生み出しませんし」
「自分が受ければ嫌ね」
「そう思いますと」
「そう思うならね」
 それならばまさにというのだ。
「ないに限るわ」
「その通りということですね」
「自分がやられて嫌なことはしない」
「他人にも」
「そしてそう思うのならね」
「自分もしないことですね」
「そういうことよ、さてマウリアはね」
「これからですね」
 あらためてだ、スタッフも言った。
「どうなるか」
「そう、法律の問題はクリアーされたから」
「偏見の打破ですね」
「それになるから」
「難しいことですね」
「その難しい問題にどう打ち勝つか」
「問題になってくるわ」
 こう話すのだった、そしてだった。
 カバリエはマウリアのこの件の情報をさらに収集させることにした、中央政府は彼等の独自の情報網を使っていた。
 しかしだ、各国政府の大使達はだ。ある国の大使は一人で新聞を読んでいた。
 そのうえでだ、たった一人の大使館員、やはり雇われの若い男の者に対して話していた。大使にしても三十に至っていない顔だ。
「新聞を読んでると」
「はい、アウトカーストの件はですね」
「ジャバル主席ですね」
「アウトカースト層の政府の」
「あの人の存在が大きいですね」
「かなりの辣腕家らしいね」
「そうですね」
 大使館員も応える、彼等がいるのは大使館となっているが二人が生活している一軒家である。大使館と住宅を兼ねているのだ。
「やはり」
「ネットを見ても能力への評価は高いです」
 スタッフはマウリアのそれを見てから述べた。
「どうしても」
「そうだね」
「はい、ですが」
「我々が手に入れる情報は」
「新聞やネットだけで」
「それとテレビだね」
「後は大使同士のお話ですね」
 それも行ってはいるのだ、彼等も。
「大使も先日行かれましたね」
「昼食会にね」
「そうしたことで、ですね」
「情報収集をしてね」
「本国に伝える」
「新聞の紙面をそのまま送ることもあるよ」
 ファックスでだ。
「そうしているけれど」
「他のことは」
「していないね」
「中央政府はかなり動いているみたいですね」
「ああ、そう聞いてるよ」
「あちらの情報収集は大きな大使館もあって」
「中央政府の大使館を惑星の警察署としたら」
 その惑星全体の警察を統括するそれである。
「こちらは交番だからね」
「規模が違い過ぎますね」
「そうだね」
 それはというのだ、大使館員に。 
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