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星河の覇皇

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第七十二部第二章 アウトカースト政府その十

「連合ではです」
「サハラのムスリムを差別しているわね」
「難民ということで」
「そしてマウリアのムスリムも」
「ムスリムはムスリムですが」
「国が違う」
「はい、ですから」
 それが為になのだ。
「差別が存在しています」
「残念ながら」
「そうですね、本当に」
「その通りね、ただ」
「ただ、ですね」
「一つ思うことは」 
 カバリエが思うそれはというと。
「階級のない国や社会でもね」
「差別は存在しますね」
「それは否定出来ないわ」
 どうしてもというのだ。
「差別は人の感情から来るものでありね」
「そこから制度が生まれる」
「そうなるわね」
「やはりそうですね」
「マウリアも然りだ」
「穢れ意識からですね」
「アウトカースト層が定められ」
 そうしてというのだ。
「差別が存在しているわ」
「その通りですね」
「穢れという考えは」
 ヒンズー教、日本の神道にもあるそれはだ。
「私としてはね」
「否定してしまいますね」
「ええ、手を汚してもね」
「洗えばいいです」
「それだけだと思うけれど」
「マウリア、そして日本の神道では」
「そうではないわ」
「穢れがこびりついているのでしょうか」
 スタッフもカバリエに問うた。
「そうした立場の人達には」
「こびりついているというかそのものか」
「穢れが」
「そうした考えかも知れないわ」
「それを生業にしていると」
「イスラムではむさ苦しいだけね」
「はい、アラビアンナイトでもありましたが」 
 連合でも広く読まれているイスラム文学の最高峰の一つだ、美女が王に毎夜一話ずつ話していくというう形式を取っている。
「臓物洗いもです」
「職業の一つね」
「職業的に差別はです」
「されていないわね」
「はい」
 その通りという返事だった。
「それは」
「その通りね、それはね」
「本来の姿ですね」
「私はそう思うわ」
 穢れ思想のないカバリエから見ればだ。
「汚れても洗えばいいのよ」
「奇麗にする」
「それで終わりの筈よ」
「しかしそれを階級にまでするとは」
「かつての日本、そしてマウリアは」
「極端ですね」
「全く以てね」
 そうだとだ、スタッフに話した。
「私から見れば」
「私から見ましても」
「極端過ぎて」
 それで、というのだ。 
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