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星河の覇皇

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第七十二部第二章 アウトカースト政府その七

「そしてその後に身を清めたわね」
「海で」
「それは死の穢れを清めたのよ」
「海の水で」
「水、そして塩でね」
 海水に入っているそれでだ。
「その両方で清めたのよ」
「死の穢れを」
「穢れ信仰は日本に強く」
「そしてマウリアでもですか」
「強くてね」
「アウトカーストという存在がですか」
「生じたのよ」
 そうなったというのだ。
「そしてね」
「さらにですか」
「そう、それが階級化したのよ」
 その穢れ思想がというのだ。
「日本でもかつてそうだったわ」
「穢れ思想が階級にですか」
「なっていたのよ」
「そうでしたか」
「穢多ね」 
 穢れが多い、まさにこの言葉をだ。カバリエは言葉として出した。
「まさに文字通りに思われていたのよ」
「穢多ですか」
「そう、他には非人もあったわ」
 こちらの言葉もというのだ。
「河原やそうした場所に住まわせられていてね」
「差別されていたのですね」
「偏見、穢れ思想が階級となってね」
 そのうえでというのだ。
「存在していたのよ」
「日本でも」
「流石に今は消えたわ」
 こうした偏見はというのだ。
「遠い昔のお話よ」
「日本でもですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「存在したのよ」
「そうですか」
「そしてマウリアではね」
「今でもですか」
「存在しているのよ」
 そうなるというのだ。
「今もね」
「それがアウトカースト層で」
「その偏見が消えるのは」
「二十年ではですね」
「なくならないわ」
 到底、というのだ。
「中々ね」
「人の偏見は」
 どうしてもというのだ。
「最も消えにくいものの一つよ」
「この世で」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「マウリアでもね」
「アウトカーストへの偏見はね」
「容易には消えずに」
「残るわ」
 そうなっていくというのだ。
「百年以上はかかるわね」
「長いものですね」
「それが偏見というものでしょ」
「確かに、連合でもです」
「国内、連合市民同士では殆どなくても」
 精々各国、各地域の地域感情程度だ。連合の中ではそれ位だ。
 しかしだ、これはあくまで連合の中だけのことであり外部についてはというと。 
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