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オズのキャプテン船長

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第五幕その五

「二つの世界が」
「オズの国の中にあるね」
「そういうことですね」
「そうだよ、あとアマゾンといえば」
 船長は皆にさらに言いました。
「アナコンダだね」
「あの大蛇ですね」
「そうだよ、アナコンダは基本お水の中にいるのは知ってるね」
「はい、あまりにも身体が大きくて」
 恵梨香は船長に答えました。
「それで、ですよね」
「基本水棲なんだ」
「そうでしたね」
「だからこのお池の中にもいるよ」
「それじゃあ」
「これからその姿を観られるよ」
 船長がこう言うとです、ビリーナは真上に気配を感じてすぐに見上げました、そうして船長に言いました。
「お目当ての相手がいたわよ」
「今のわし等の上にだね」
「ええ、だからね」
「このまま上に上がれば」
「会えるけれどどうするの?」
「答えは一つだよ」
 これが船長の返事でした。
「それならね」
「そうよね、それじゃあね」
「今から潜水艦を浮上させるよ」
「わかったわ」
 ビリーナは操縦席の横にいてそこから船長に応えました、船長はすぐに浮上のボタンを押しました、するとです。
 潜水艦は垂直に浮上しました、そしてです。
 水面に出るとそこにでした、二十五メートルはある胴回りもとんでもない太さの緑色の鱗に黒い斑点模様がある大蛇がいました。
 船長は皆と一緒に潜水艦の中にいたまま言いました。
「あれがだよ」
「アナコンダですよね」
「動物園のアナコンダよりずっと大きいですね」
「二十メートル以上は普通にありますね」
「もうとんでもない大きさですよ」
「ドラゴンより大きいですよ」
「外の世界では半分伝説だね」
 船長はここでこう言いました。
「あそこまで大きなアナコンダはね」
「実際にいるんですか?」
 恵梨香はアナコンダのことをです、船長に尋ねました。
「あそこまで大きなアナコンダは」
「いるという話はあるよ」
「けれどですか」
「今わしが言った通りにね」
「伝説ですか」
「実際はいるかどうかね」
 半分そうしたお話でというのです。
「わからないよ」
「そうですか」
「ただ。アマゾンはね」
 この場所はというのです。
「今もよくわかっていない場所だからね」
「実際にいてもですね」
「おかしくないよ」
「そうなんですね」
「一応言われているのはだよ」
 ここで教授もお話します。
「最大で十メートル程度だね」
「アナコンダの大きさは」
「ティタノボアという昔の蛇は十三メートルだったんだよ」
 それだけの大きさだったというのです。
「オズの国にもいるけれどね」
「十三メートルというと」
「あのアナコンダの半分程度だね」
 それ位の大きさだというのだ。
「おおよそね」
「そうですよね」
「けれどこの国はお伽の国だよ」
 だからだというのです。
「それでだよ」
「ここにいるんですね」
「そうなんですか」
「そしてね」
 教授は恵梨香達にさらに言いました。
「彼ともお話出来るよ」
「それもオズの国だからですね」
「そうだよ」
 まさにというのです。 
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