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レーヴァティン

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第百十八話 古王国その八

「動きは素早いしこの暑さの中では」
「その方がいいな」
「おいら達は今は」
「ああ、鎧が熱されて熱くなるのを防ぐ為にな」
 金属の鎧や兜はそうなってしまう、だから日中の進軍や戦闘について彼等も考慮してある解決手段を採用している。
「上から布羽織ってるしな」
「サーコートとかね」
「そうしてるしな」
「その暑さにね」
「対することを考えるとか」
「そう、本当にね」
 実際にというのだ。
「この地域では軽いそれも皮の鎧の方がね」
「いいとも言えるんだな」
「この暑さだしね」
 気候のこともあってというのだ。
「悪くないと思うよ」
「そうも言えるんだな」
「そう、そしてね」
 淳二は久志にさらに話した。
「あの国はこの地域で最も国力も高いし」
「地中湖南岸でな」
「油断出来ないよ」
「そうだよな」
「というかおいら達がこれまで戦ったこの浮島の勢力の中では」
「一番国力が高い国だな」
「だからね」
「余計だよな」
「強いからな」 
 それでというのだ。
「あの国はな」
「油断しないでね」
「戦わないとな」
「駄目だよ、というか」
 ここで淳二はこうも言った。
「相手を侮ったらね」
「その時点で負けだな」
「部活の練習でも相手を馬鹿にする奴いるよね」
「いるな、そんな奴」
「そんな奴本当の意味で強くなるかっていうと」
 それはというのだ。
「なれないよね」
「だよな、実際な」
「しかもそんな性格の悪い奴はね」
「嫌われるな」
「実際にね、おいらの通っていた中学でもいたよ」
 そうした輩がというのだ。
「物凄く嫌な奴だったね」
「部活の練習で相手を馬鹿にしていたか」
「西成のボクサー一家みたいにね」
「それはまた相当だったんだな」
「自分より弱い相手を馬鹿にして強い奴にはへこへこして」
「そりゃまた本物だな」
 久志が聞いてもだった。
「猫型ロボットの漫画に出てきそうだな」
「ああした愛嬌もなくてただひたすらね」
「嫌な奴だったか」
「捻くれてて底意地も悪くてね」
「それで嫌われてたんだな」
「相当にね、それでね」 
 さらにと言うのだった。
「高校は違ったけれど」
「そこでもか」
「有名な嫌われ者で」
「それでか」
「本当の意味で強い奴じゃなかったから」
「部活でも弱かったか」
「実はね。というか典型的な心のない力を使う奴でもあって」
 即ち暴力だ。
「まあ今頃地元で」
「札付きにでもなってるか」
「犯罪してなくても絶対に周りから忌み嫌われてるから」
 そうなっていることは間違いないというのだ。 
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