| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十八話 古王国その七

「あの国はこの浮島で最も古い国だ」
「歴史ある国か」
「伝統もな」
 こちらもというのだ。
「備えている、ならな」
「その国を守るつもりでか」
「そして守る為にだ」
「戦うか」
「なら俺達の話を聞いてもな」
「降ることはか」
「ない」
 それはと言うのだった。
「まずな」
「だから戦は避けられないか」
「残念だがな、ではな」
「古王国とはか」
「戦うことになる、だがな」
「それもだよな」
「仕方のないことだ、だからあの国のことをな」
 古王国のことをというのだ。
「よく見ることだ」
「密偵を増やしてか」
「今のうちから隅から隅までだ」
「古王国のことをか」
「見てそしてだ」
「戦うか」
「そうしていくべきだ」
 こう久志に話した。
「こう言えばわかるな」
「ああ、今からな」
「古王国に送る密偵をだ」
「増やすか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「墨から隅まで知ってな」
「そしてだな」
「戦をはじめるべきだ」
「そうするか、じゃあな」
 早速とだ、久志は今度は淳二に顔を向けて言った。
「古王国に送る密偵をな」
「増やすんだね」
「そうしてくれるか」
「わかったよ」
 笑顔でだ、淳二は久志の今の言葉に頷いて答えた。
「それじゃあね」
「すぐにだな」
「送るね」
「頼むな」
「それで古王国の隅から隅まで見て」
「攻めような、あそこがどんな統治の仕組みかはな」
 国家の情報についての基礎の基礎であるそれはというのだ。
「もうな」
「知ってるよね」
「ああ、もうな」
 それこそというのだ。
「あそこが王様、ファラオを神格化してな」
「それを軸として統治を行ってるね」
「それぞれの神々に仕える神官達が官僚も兼ねてな」
「そうしてね」
「そうした神権国家だったな」
「そうだよ、それで軍勢はね」 
 彼等はというと。
「術を使う兵が多いよ」
「大砲は殆どなくてな」
「鉄砲や騎馬隊は少ないけれど」
 それでもというのだ。
「術を使える兵が多いから、あと鎧兜はね」
「あまりだよな」
「軽装備だから」 
「重装歩兵とかはないな」
「こっちの鎧兜とはね」
「全く違うな」
「うん、ただ防御力は弱いけれど」
 このことは事実でもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧