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レーヴァティン

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第百十八話 古王国その六

「惨たらしい拷問と虐殺で」
「かなりの人が死んだよな」
「そうなりました」
「それでな、そういうのを見たらな」
 それこそというのだ。
「俺としてはな」
「聖職者こそがですか」
「死刑とかを言うってな」
「そうしたお考えに至りますか」
「ああ、それでな」
 実際にというのだ。
「お前がまだ躊躇しているのはな」
「司祭として死刑を主張することはいいか」
「ずっとましというか全く別だろ」
「そうであればいいですが」
「むしろそんな殺せ神があの世で見分けられるとかな」
 久志はまたアルビジョワ十字軍の話をした。
「そういう奴の方がな」
「問題ですね」
「俺だったらその糞坊主もな」
 彼等もというのだ。
「死刑だよ」
「そうされますか」
「ああ、そんなキチガイはな」
「死刑にしてですか」
「待ち散らす害毒減らすな」
 そうした僧侶を減らす分だけというのだ。
「本当にな」
「それも筋ですね」
「そうだろ、だからお前が死刑を言ってもな」
「構いませんか」
「俺はな、むしろ死刑反対とかな」
 こうした主張の方がというのだ。
「おかしいだろ」
「これまでお話した通りですね」
「ああ、殺された人やその遺族の人がどうなるんだ」
「浮かばれないですね」
「そうした考えもあるしな」
 だからだというのだ。
「俺は凶悪犯はどんどんな」
「死刑にされていっていますね」
「魂を消してな、加害者の人権とかな」
 即ち凶悪犯のというのだ。
「そんなのはな」
「主張されないですね」
「そんなのいらないだろ」
 一切というのだった。
「それこそな」
「だから死刑もですね」
「どんどんしてるしな」
 統治者としてそうしているというのだ。
「それでこれからもな」
「死刑をですね」
「していくな、俺がサインするな」
 死刑執行書、それにというのだ。
「これからもな」
「そうされますか」
「ああ、そうしていくな」
「わかりました、それでは」
「ああ、後な」
「あと?」
「いや、戦に話をやるけれどな」
 そちらの話もするというのだ。
「古王国とはやっぱりな」
「戦をすることになる」
「そうなるか」
「おそらくな」
 今度は正が答えた。
「連中は守りを必死に固めている」
「それだとな」
「戦を覚悟している」
「だからだな」
「話は聞くかも知れないが」
「まず、か」
「連中は戦うつもりだ、しかもだ」
 正は久志にさらに話した。 
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