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レーヴァティン

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第百十七話 西の端へその七

「この浮島宗教は混在しているしな」
「そのこともあって」
「普通にな」
「宗教は自由ね」
「このことはこれからもな」
「守っていくわね」
「ああ、それでな」
 久志はさらに話した。
「俺が思うにはな」
「何かしら」
「ああ、国家を統合するものはな」
 それはというと。
「幸い言語一緒だろ」
「この浮島はね」
「多少の方言はあってもな、東の浮島でもな」
「言葉は同じね」
「それに貨幣も度量衡も一緒だろ」
「だったらね」
「それでいいだろ」
 こう言うのだった。
「経済のそういうのを使ってな」
「それを統合の要にして」
「あとは中央の力を強めることか」
 このこともというのだ。
「地方の権限も認めるけれどな」
「肝心なことは」
「軍隊の指揮権とか高官の任命権とか貨幣の鋳造権はな」
 そういったものはというのだ。
「全部な」
「中央、ローマの政府が持って」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「国を治めていくんだよ」
「そういう考えね」
「これは近代の考えか」
「近代の日本やな」
 今度は美奈代が言ってきた。
「ほんまに」
「宗教のこととか」
「そや、そこで貨幣とか度量衡とかな」
「言葉もだよな」
「それで統一していくっていうのはな」
「まさに近代の考えか」
「そや、それでな」
 美奈代はさらに話した。
「うちもそれでええと思うわ」
「そういうので国を一つにしてか」
「そしてな」
「中央、ローマの権限を強くすることもか」
「ええことや、ただその為にはな」
「辺境まですぐにだよな」
「意思伝達とか移動がな」
「出来る様にしておくことだな」
「陸路も航路も整えてな」
 そのうえでというのだ。
「それこそローマから何処でもや」
「この浮島の」
「すぐに行ける」
「そうすべきだよな」
「鉄道みたいなのはないけれどな」
「出来る限りだよな」
「速く多くの人やものをな」
 まさにというのだ。
「送れる様にする」
「それが大事だよな」
「そや、飢饉とかあっても救えるし」
「叛乱が起こってもな」
「出来る限り起こらん様にするのが前提やけどな」
 それでもというのだ。
「起こったらな」
「すぐにだよな」
「鎮圧出来る様にするんや」
「それが大事だよな」
「そや、中央に多くの軍勢を置いておいて」
 これは常にだった、美奈代が言うには。 
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