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レーヴァティン

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第百十七話 西の端へその六

「もうね」
「降るにはか」
「充分過ぎるわよ、けれどこれがね」
「税は重くて何でも駄目だとな」
「誰も降らないわよ」
 現状とは逆にというのだ。
「そうした勢力にはね」
「だから俺達はいいか」
「そう、善政と言っていい政をしてるから」
 だからだというのだ。
「私達はね」
「色々な勢力が自分達から降ってか」
「楽も出来てるのよ」
「そういうことだな、やっぱり」
「というかあんたも私達もね」
 それこそ十三人が一人としてというのだ。
「宗教の強制とか苛烈な政とかね」
「一切考えてないよな」
「というかあんたは特にそういうことしないわね」
「いや、まず宗教の強制はな」
 久志はこのことから話した。
「間違ってもな」
「しないわね」
「何でそんなことするんだよ」
 理解出来ないという返事だった。
「欧州の歴史とかであるよな」
「十字軍とかね」
「そんなことしてもな」
 それこそというのだ。
「心からの信仰にならないしな」
「宗教が違うとか殺すとか」
「無茶苦茶だろ」
「日本人の感覚ね」
 清音はここではっきりと言った。
「まさに」
「そうだな、けれどな」
「その感覚でなのね」
「俺はいいと思うけれどどうだよ」
「悪いとは言ってないでしょ」
 清音は久志に笑って返した。
「そうは」
「ああ、一言もな」
「そうね。私としてもね」
「やっぱり宗教とか文化はな」
「潰すことはないわ」
 自分達と異なるそれはというのだ。
「一切ね。あと通婚も」
「ああ、それもな」
「自由にしているわね」
「まあこの浮島階級あるけれどな」
 貴族が存在している、このことも事実だ。
「それでもそうしたこともな」
「自由にしているわね」
「それでも階級間のはあるさ」
 久志もこのことはわかっている。
「けれどな」
「そうしたこともね」
「階級はともかく宗教に関係なくな」
「結婚出来る様にしているわね」
「そういう風に法律でな」 
 それでというのだ。
「しっかりとな」
「認めているわね」
「ああ、それでとにかく宗教はな」
「自由にしているわね」
「そんなの勢力をまとめる膠か」
「つまり接着剤ね」
「それにするつもりもないしな」
 国家統合、国の意識を一つにするものに使うことはしないというのだ。 
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