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星河の覇皇

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第七十一部第五章 組み入れその二十四

「あの国も」
「そして相手を弱めていたな」
「冷徹なまでに合理的に」
「そうだったな」
「連合でもこうした国々もありましたし」
「かつてはな」
「しかし今は違います」
 この時代、もっと言えば連合が設立されてからはだ。
「やはりです」
「市民は戦う者ではない」
「敵国といえど」
「ゲリラなら別だがな」
「ゲリラは国際法違反です」
 彼等についてはだ、八条は一言で終わらせた。
「ですから国際法違反としてです」
「処刑だな」
「そうしていくだけですが」
「しかし一般市民は違う」
「戦闘員でないので」
 やはり国際法に添ってだ、この時代でも国際法は生きていて連合やエウロパではかなり強い拘束力を持っている。
「ましてやエウロパ軍もですl」
「彼等も一般市民は狙わないな」
「それも一切」
「サハラ侵攻の時もそうだったな」
「彼等は騎士道でそうしていました」
「騎士は戦う者であり」
 キロモトもエウロパのその騎士道のことを口にした。
「市民は戦う者ではない」
「ですから」
「一般市民を狙わないな」
「そうです、一切」 
 それこそなのだ。
「彼等も軍律で定めています」
「一般市民を攻撃してはならない」
「その様にです」
「エウロパ軍ですらそうしているのだから」
「我々もです」
「それ位はな」
「出来ていませんと」
 八条も言うのだった。
「文明国として示しがつかないとも考えていました」
「そうした考えもあってか」
「あの様にしました」
「そうか、わかった」
 キロモトもここまで聞いて言った。
「ではこれからもな」
「その様にですね」
「していってくれ、やはり連合軍は市民の軍だ」
「市民の市民による市民の軍であり」
「市民や国家を守る軍だ」
「ですから市民を攻撃してはならないのです」
 断言だった。
「やはり」
「そういうことだな」
「今回の作戦もです」
「それが上手くいけたな」
「はい」
 八条は満足している顔で言った。
「もっとも各国軍もです」
「これまで不法出国者を積極的に攻撃したことはなかったな」
「一度も」
「巻き込んでしまったことはあったがな」
「不法出国者も市民でありますし」
「連合に戻る」
 外縁部が領土になればだ。
「そうなるからな」
「やはり無闇なことは出来ません」
「政府の批判にもつながるしな」
「自国の市民になる相手に攻撃なぞ」 
 それこそというのだ。 
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