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八条学園騒動記

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第五百二十六話 教師の資質その十一

「それに気付かずかつ努力しないのでは」
「面と言われてもですね」
「それではです」
「適性がないですね」
「全く。それで天職に就くのなら」
 それならとだ、ミンチンはさらに話した。
「コネもいいでしょうが」
「その先生の様なコネは」
「最悪です」
「その人が向いていない仕事に就いて」
「多くの学生さんが迷惑したので」
「学校の成績はよかったそうですが」
 そちらは大丈夫だったというのだ。
「ですが」
「勉強は出来てもですね」
「人に教える才能がです」
「なかったですね」
「まさにです」
 文字通りにというのだ。
「全く」
「ではです」
「コネを悪い方に使って」
「いい鉄はの言葉を補完した」
「そうした人になりましたか」
「そう思います、ですがこの学園は」
 ミンチンはここで話を戻して言った。
「大丈夫です」
「そうですね、人もですね」
「ちゃんと選ばれているので」
 適性を見られてというのだ。
「それで」
「大丈夫ですね」
「先生のお相手の人も」
「お仕事は大丈夫ですね」
「そうかと」
「そうですね、ただ」
 ここでマリアはこうも言った。
「問題はですが」
「性格ですね」
「それが一番の問題ですね」
「そうですね、浮気やギャンブルや暴力は」
「その三つ共駄目ですよね」
「私はこの中では暴力が」
 ミンチンは自分が最後に挙げたそれの話をした。
「一番です」
「駄目ですか」
「はい、暴力を振るう人とは」
 とてもという口調で言うのだった。
「絶対に暮らせないです」
「人として最低ですね」
「祖母が言っていました、今百歳ですが」
「百歳ですか」
「はい、母方の祖母で」
 この人がというのだ。
「理由はどうであれ暴力はです」
「よくないですね」
「それを振るう人とは」
「結婚してはいけないですね」
「交際も、というか関わることも」
 それ自体がというのだ。
「駄目だとです」
「そうですね、殴ったり蹴ったり」
「言葉の暴力もですね」
 ミンチンはこれを加えた。
「そちらも」
「そうですよね」
「暴力は人の身体だけでなく」
「心もですね」
「傷付けるものです」
「だからですね」
「祖母は言っていました」
「暴力を振るう様な人とは」
「絶対にです」
 何があってもという口調だった。
「一緒になってはいけないと」
「そう言われました」
「正しいですね」
「暴力は自分より弱い相手に振るう」
「それはですね」
「正しいことでないともです」
「お祖母さんにですか」
「言われまして」
 それでというのだ。 
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