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八条学園騒動記

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第五百二十六話 教師の資質その十

「有り難いことに」
「そうですね、では」
「先生がお見合いされる方も」
 その彼もというのだ。
「きっとです」
「博物館の学芸員としてはですね」
「しっかりした人です」
「私が知っている先生みたいな人ではないですね」
「そうした無能な人では」
「ないですね」
「その先生は他の仕事に就くべきでした」
 これがミンチンの結論だった。
「まことに」
「授業を止められる前に」
「その先生が教えた学生さんは迷惑しましたから」
 このことは間違いないからだというのだ。
「数学を理解出来ず」
「その授業からですね」
「そうなったことは間違いないですから」
「面と向かってわからないと言われた位なので」
「はい」
 まさにというのだ。
「それでは本当にです」
「最初からですね」
「学校の先生にならず」
 そしてというのだ。
「他のお仕事にです」
「就くべきでしたか」
「他に就職先がなくとも」
「そもそもその時点で、ですね」
「どうした人かと思いますが」
「それだけ無能だったのでしょうか」
「そうですね、そして連合として」
 この国の悪い意味での特徴としてというのだ。
「いい人こそです」
「学校の先生にならないで」
「それで、です」
 そのうえでというのだ。
「そうした人がです」
「なるので」
「悪いですね」
「ですが開拓地や開発地に行けば」
 それでというのだ。
「それで」
「どうにもなりますね」
「連合の就職は」
 その為実際に連合の失業率は極めて少ない、失業率が〇・四パーセントに達したことすらない位である。逆に言えば連合は発展し続けているので慢性的な人手不足と言っていい状況が千年来続いているのだ。
「そうですが」
「そうしたところに行っても」
「何も出来ない」
「それでコネで」
「公立学校の先生になったので」
 そうした輩であるからだというのだ。
「もうです」
「いい人はとなりますね」
「そうですね」
 二人でこう話した、そしてだった。
 ここでだ、ミンチンはマリアに話した。
「コネはよくないですが」
「それでもですか」
「はい、いい風に使って」
 そうしてというのだ。
「向いている仕事に向かえば」
「いいですね」
「そちらに就職すれば」
 それでというのだ。
「誰もが幸せになれますが」
「その先生にしても」
「その先生の天職はわかりませんが」
 流石にこれはわからない、ミンチンにも。
「ですが」
「学校の先生にはですね」
「全くです」
 それこそというのだ。
「聞いている限りでは」
「向いていませんね」
「人に教える才能に乏しく」
 ミンチンはここではオブラートに包んで述べた。 
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