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八条学園騒動記

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第五百二十六話 教師の資質その九

「それがそもそも問題ですね」
「そうですね」
「採用される時点で、ですが」
「もうそこで」
「おかしいですが」
「それはまあ」
 マリアはミンチンのその疑問に答えた。
「噂ですが。よくある」
「コネですか」
「大学を出ても」
 そこで教員免許を持ってもだ。
「他にこれといって」
「就職先がなくて」
「そしてコネで」
 それでというのだ。
「開拓地に行くこともなくて」
「普通行き場所がないとですね」
「連合では」
 この国の常だ。
「開拓地に行きますね」
「そうですね、開拓地に行けば」
 それでとだ、ミンチンも述べた。
「それだけでもう幾らでもです」
「就職先はありますね」
「開発地でも」
 開拓地だけではないのだ、連合に行けば。
「行けば」
「幾らでもですね」
「お仕事はあって」
「就職には困らないです」
 連合は失業対策や景気対策としても開発や開拓を行っている、ただし無造作にしてしまい後で厄介な問題となったケースもある。その時点で開発や開拓を行ってもそれが不良債権になってしまう場合もあるのだ。
「ですが」
「はい、そうしたところにもです」
「行きたくなくて」
「それで、です」
 マリアはさらに話した。
「学校の先生にです」
「コネで入り」
「そこにいるとか」
「嫌なお話ですね」
「はい」
 マリアは俯いて答えた。
「本当に生徒が迷惑します」
「質の悪い人がコネで入って」
「そこからまたです」
「いい鉄は、ですね」
「そう言われるので」
「結果として得をするのはその先生だけで」
「周り、世の中はです」
 つまり他の者達はというのだ。
「迷惑します」
「その通りですね」
「この学園ではないですが」
「学園自体も施設も」
 この博物館にしろというのだ。
「適性はです」
「見られますね」
「資格の問題だけでなく」
「そうですね」
「そんな黒板に書いてそこに言っているだけの様な」
 自分は生徒に教えているつもりでもだ、実は違うというそれがというのだ。
「そうした先生に適性はです」
「ないですね」
「そこも観られるので」
「およそです」
 それはというのだ。
「そうした無能な先生はです」
「いないですね」
「はい、そして」
「そしてですね」
「この博物館にしても」
「しっかりした人がですね」
「務めてくれています」
 そうなったというのだ。 
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